のぼりべつクマ牧場通信 51号(2021年9月)

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ピリカの成長がとまらない!


子グマの成長に伴う変化について

4月時点で体重10.6㎏、10kgの米袋1袋分だったものが、8月には3袋分以上の33.9㎏と、3倍にまですくすくと成長しています。

定期的にピリカの成長をお伝えしていますが、今では丸太の上り下りや、飼育員と追いかけっこをするスピードも速くなり、運動神経が抜群になっています。
特に最近では、大好きなお友達の黒いゴムマットを水辺で振り回しながらジャブジャブ楽しそうに遊んでいて、その姿にお客様からの歓声が聞こえてきます。また、「ねえねえ」と前肢で飼育員にちょっかいを出すピリカですが、なかなか力強いパンチになってきています。

今年の夏は暑かった!初めて見る氷は?

8月には、暑い夏を乗り切ってもらうために氷漬けにした果物をプレゼントする「氷中果物ガリガリタイム」を行いました。
初回の数分は、初めて見る氷に警戒していたものの、慣れるとアイスホッケーのように氷を前肢でパンチして滑らせ、わずか数秒で壁にぶつけて氷を砕く方法を生み出しました。

凍ったリンゴもガリガリと噛み砕き、あごの力も一丁前です。また、高い丸太の上で寝ることが多かったピリカですが、最近は遊び疲れると土の上でウトウトとひと休みしている姿も見られます。今後、ピリカはどんなお姉さんグマたちと合流していくのか、そして名前のようにどんなきれいなお姉さんになっていくのか、期待が膨らみます。

きょうのくまさん

エース♀(1)

スミリ(母)とユヅル(父)との間に生まれた女の子。昨年は子グマ牧場にいましたが、立派に成長し体も大きくなったので、子グマ牧場は卒業しました。現在は一つ年上のお姉さんグマたち5頭と共に暮らすため、昼間は毎日同じ場所で遊ぶ、お見合いの日々です。
エースは、お姉さんグマの中でも前月号でご紹介した「ツクシ」と仲が良いみたいです。ほかのみんなとも一緒に遊んで、仲良くしてくれる日が待ち遠しいです。

B牧場に、緑の気配が…

第二牧場を引退したおばあちゃんクマたちが暮らすB牧場は、地面がコンクリートでしたが、足腰の負担を軽減できるように、2018年より土を入れる計画が始まりました。といっても飼育員が土を運んで入れるという人海戦術です。

土を入れると、雨の翌日は排水が詰まり大きな水溜りが。土をよくするため、2019年には落ち葉を、2020年には茅(かや)を入れてみました。そうして、今年は土が軟らかくなってきて、雑草を植えるとついにいくらか定着してくれました。いつか、草原での昼寝を実現させてあげるべく、奮闘を続けます!

少しずつ草が定着するようになったB牧場=8月28日

マニアの独り言

あー、おっぱいって偉大だなぁ。乳児の体をそれだけで維持できるスーパー完全栄養食なんだもんな。しかも栄養だけでなく、生まれて初めて出るおっぱいには乳児の免疫の要となる免疫グロブリンが豊富だしな。まさに医食同源。こんなすごいなら一生飲んで暮らせればいいのにな。
まぁでも、おっぱいをあげ続けている限り、乳汁分泌ホルモンのプロラクチンの影響でお母さんは排卵しづらくなるし、体の大きくなった子どもを維持するのに必要な乳量って恐ろしいな。一生飲んでは無理か。おっぱいってすごいな。あー、あの頃に戻りたい。

母グマのおっぱいを飲む子グマ2頭

教えて!!Q&A

○ペンネーム「ゆん」さま

Q クマさんをどうやって山の上に連れてきたの?

A のぼりべつクマ牧場のクマはほとんどが牧場生まれのクマですが、第二牧場の「イナホ」や「モリコ」のように、まれに野生で保護されてやってくるクマさんもいます。保護できるクマは、飼育生活に馴染める0才までとなっており、山の上までは「ロープウェイ」に乗ってやってきます!
ぜひ、第二牧場で野生生まれのクマさんも見てみてください!

第二牧場でアピールをする野生出身のイナホ=8月21日

「ヒグマクイズ」はじめました

ここ数年、オンラインでの教育普及が活発化している中、『クマについてもっと知ってもらいたい』という想いから、毎月初めに公式サイトにてヒグマクイズの掲載を開始しました!
クイズの内容は、昨年2月まで開催していたレクチャーの要素を取り入れたもので、月ごとに異なるテーマに沿ったクイズ(5問)を解説付きで行い、クマについて楽しく学ぶことができます。公式サイトで、レッツチャレンジ!

ヒグマクイズはこちら↓
ヒグマのレクチャー

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