のぼりべつクマ牧場通信 46号(2021年4月)

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「いじわるばあちゃん」第二牧場引退

第二牧場で、ぬいぐるみのような姿で日光浴をしていたライサが、30才になった今年、第二牧場を引退することとなりました。
これまでのライサについて、少しだけ紹介したいと思います。

1991年1月25日にのぼりべつクマ牧場で生まれ、母ウラコの愛情を沢山受けて育ちました。9才までは、第二牧場に隣接する放飼場などで、同年代のクマたちと共に生活をしていました。10才になった時に第二牧場へのデビューを果たしました。同年代の仲良しグループからは離脱し、年の離れた若いクマたちと過ごすようになっていきました。年を重ねると性格が丸くなるのかと思いきや、気の合わないクマを見つけると、蹴散らすように追いかけていました。

そんなパワフルなライサですが、2年程前から歩様に少しずつ違和感が感じられ、後肢の衰えが目立つようになりました。展示場の高低差や後肢の可動具合から展示場に出ることは難しいと判断され、2月1日をもちまして、第二牧場を卒業し、他の卒業したクマたちと共に隠居生活へ入りました。今後はSNSを通じて皆様に元気な姿をお見せしていく予定ですので、引き続き応援の程宜しくお願いします。

特別写真展 飼育員のベストショット!!〈休園中のクマたち〉

「木の上でおやすみ」


「日曜日」


「マイブーム」

ツキノワグマ ナナの冬のできごと

2月2日から3月18日までの46日間、全く食べない冬眠を行っていました。ナナはヒグマではなくツキノワグマで、北海道にはいない種類のクマですが、野生では冬眠を行っています。冬眠に重要な条件となるのは、①低気温、②刺激の少ない環境、③柔らかなベッドのための材料です。野生の環境では冬になると当たり前の条件なのですが、飼育環境では再現しようとしないとなかなか揃いません。

今年は、新型コロナの影響もあり、2月から3月中旬までの休園が決まったため、それに合わせて、自然の生態である冬眠誘導を行いました。ずっとずっと寝ていたナナですが、3月19日、ナナは元気に歩き回り、モリモリと餌を食べています。クマの能力は恐るべし。

ふかふかワラの中で寝るナナ

3年ぶり!クッタラ湖全面凍結

毎年この時期この紙面で報告しているクッタラ湖の湖面凍結状況ですが、今年は3年ぶりに全面凍結しました。温暖化の影響か、去年一昨年と2年続けて凍結しなかったクッタラ湖。今年も2月に入って暖かい日が続いたので一時は凍らないかとも思いましたが、1月にしっかりと寒い日が続いたので湖水全体が冷やされていたようです。本号発行時には湖面の氷は解けてしまっているかもしれませんが、神秘的なクッタラ湖の眺めをお楽しみください。

2月25日に全面凍結したクッタラ湖

教えて!!Q&A

〇ペンネーム「さくま」さま

Q クマの糞は一日どれぐらいでて、どうやって処理していますか?

A クマの糞の量はその時のエサの量や季節によって異なります。
一概にこの量とは分からないです。秋などは栄養をたくさん蓄えるためにたくさん食べてその分たくさん糞もでますが、冬は食べる量も減るので糞の量も秋に比べると減ります。糞の処理はクマを獣舎から出した後、飼育員が中に入りホースで水洗します。綺麗に糞を洗い流した後に、エサを色んな箇所に置いています。

3月23日はWorld Bear Day!

クマに思いを巡らせて頂けるように、のぼりべつクマ牧場ではヒグマクイズを厳選して100問準備させて頂きました。クイズの後は、ヒグマのおならや新生子の鳴き声など超貴重な音を聴けるかも!ヒグマクイズは最後に正答が表示されるため、最新の研究で分かってきたこともあなたの知識として習得して頂けるかと思います。体の特徴から野生の生態に関することまで、「なにこれ?簡単じゃん。ハハッ」と油断すると、鬼難しい問題が襲ってきます。可愛いような怖いような静かでミステリアスなヒグマですが、クイズを通して実際にはどんな動物なのかよく分かるかもしれません。いや、もっと分からなくなるかもしれません。


ヒグマクイズに挑戦!
https://bearpark.jp/higuma_quiz100/

のぼクマ劇場

なる作