クマの恋 ~ のぼりべつクマ牧場での恋の行方~(2月9日・10日実施)

北海道の2月といえば冬真っただ中ですが、2月は寒いだけでなく、雪まつりやバレンタインデーなどイベントごとで盛り上げる時期でもありますよね。特にバレンタインデーは老若男女問わず盛り上がっていることと思います。
そこで、人間の恋イベントにちなんで、クマの恋について今回はお話しさせて頂きました。
 
北海道に生息しているエゾヒグマの恋の時期は毎年5~7月です。
この時期になるとオスはメスを探してウロウロしています。特にこの時期に注目したいのがオスのある行動です。
それは背中を何かにこすりつけるダンスのような行動「背こすり」です。
 
この行動はマーキング行動だと古くから言われていましたが、実際に何のためにこすっているのか、何をこすりつけているのか分からないままでした。
近年、その「背こすり」を解明するために、のぼりべつクマ牧場は大学と共同で研究をおこなっています。最近分かったことは、5~7月のオスの背中はココナッツのような甘い匂いがするという事です。
超大きなパワー系のオスたちが甘い匂いを発しているので、そのギャップにやられてしまいそうです。なんだか可愛いですよね。
 

背こすりをする巨大なオス


では実際の恋の行方はというと、クマ牧場では血統、相性、性格などを判断してオスとメスを同居させています。
同居までの道のりは長く、臭い嗅ぎ、顔合わせ、一時同棲など何段階かのステップを踏んで、雰囲気が良ければ同居に至ります。
昨年の5~7月も若いクマを中心としたペアを複数組んでいました。昨年のペアはすべてのペアがとても雰囲気が良く、くっついて寝ていたり、餌を分け合ったりと仲睦まじい雰囲気でした。
 

ペア予定個体の顔合わせ中


 

ペア後の仲睦まじい雰囲気


そして、ペアになったメスたちは冬に出産し、お母さんとなります。
出産後にお父さんは育児を手伝ってくれることはなく、メス1頭で1~3頭の子グマを育てます。厳しい冬の寒さの中、お母さんは巣穴の中でとても逞しく育児をしています。
 
第二牧場のメスたちの中には出産経験のあるお母さんグマがいっぱいいるので、ぜひそんな逞しいお母さんの姿をぜひ見に来てくださいね!