のぼりべつクマ牧場通信 63号(2022年9月)

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暑い夏には冷たい氷!!

夢中で氷にかじりつく子グマ=8月6日、8日撮影

リンゴ入りの氷をプレゼント

今年もやってきました、夏の恒例イベント!その名も「子グマの氷中果物ガリガリタイム」です。
8月中の土・日・祝日と6日~14日の一週間に開催されました。

初日は、4頭共初めての氷に苦戦しており、氷の中のリンゴを取り出すのに、時間がかかっている様子でした。
4頭の中でも一番体の大きなアレンが食いつきが良く、他のクマが食べている氷を横取りしている様子もしばしば見られました。レナは4頭の中で一番警戒心が強いので、初めて見る氷にも控えめでしたが、慣れた頃には他のクマにはない、氷を持ち上げて落とす手法で氷を割っていました。イコロ、ノンノも氷にかじりついたり、台の縁に滑る氷を当てるなどして、一生懸命氷中のリンゴを獲ろうと頑張っていました。

子グマ牧場での展示が開始されてから4か月程経ちました。アレンは一番ビビりなクマでしたが、今では一番体が大きく、飼育員に遊びレスリングを申し出てくる程にまで成長し立派なオスグマになりそうです。レナは2番目に体が大きいですが、まだまだ飼育員が近づくと警戒しています。イコロとノンノはアレンとレナに比べると体は小さいですがアレンに負けないようにすくすくと成長し、飼育員にも随分と慣れてくれました。
秋には子グマが水槽で魚をハンティングするイベントがあります。どんどん成長して沢山魚を獲る姿を是非お客様に見て頂きたいと思います!

きょうのくまさん

アッキー♀(26)

紋別郡興部町で0歳の頃に保護されました。現在同居している5頭のクマの中では一番若く、バックヤードの放飼場には、必ず1番に元気よく出ていきます。収容時には、獣舎内の餌をめがけて先頭で扉が開くのを待っていたりと、少しせっかちで食いしん坊な所があります。
そんなアッキーは、第一牧場にいる「マンタロウ」「コタロウ」を産んだ母グマです。

衣替えの季節がやってきた!

北海道にも夏がやってきました。
クマ牧場の気温は大体25℃前後で人間ではそれほど暑くない気温でもクマにとっては暑い日々が続いています。
こんな暑い夏をクマさん達はどのようにして乗り越えているのでしょうか。

答えは「換毛」です。人間でいう「衣替え」になります。4月頃になるとクマさんは暑い夏を乗り切るため、新たな毛が生え始め、古い毛が抜け始めます。そして夏になるころには密度の低い状態になり、夏毛へと変わります。
冬場は極寒になる北海道ですので、冬毛の時はとてもモコモコですが、夏毛に代わると、どのクマさんも見違えるほどに、ほっそりスリムになります。
こういった季節によるクマの見た目の変化を観察できるのもクマ牧場ならではです。

夏毛のシズク(6月撮影)と冬毛のシズク(3月撮影)

新リス小屋 遂に完成!

8月10日からクマ山ステージ横に新しくリス小屋ができました。その名も「リスの杜」です。
名前の由来は、以前この場所にあったクマ山神社です。杜は神社の森を意味する言葉です。野生のエゾリスは、北海道では森林だけに限らず、市街地や神社があるような森でもよく目にします。そのため展示場にもクマ山神社を残しながらリスの新しい展示施設にもなっております。

リスの杜の中の様子=8月18日撮影

現在はメスの「サン」「サツキ」の2頭の展示となっております。
巣箱の中で寝ている様子などを観察できるように、一部アクリル板で巣箱の中が見られるように設置しています。
これからリスの杜で行うイベントを考案中です。是非楽しみにしていてください。

クマさんのごはん

クマ牧場のクマさんたちは普段どんなエサを食べているか気になりませんか?
第一牧場、第二牧場では、日中はお客様からいただく「クマのおやつ」(原材料:大豆、小麦粉、魚粉、ビタミン剤など約12種類)を食べています。お部屋に戻った後や、展示していないクマたちはトウモロコシ、牛用に作られた配合飼料、大豆、ビートパルプ、ドックフードなど5種類の飼料を混ぜてふやかし、ビタミン剤を添加したものを食べています。その他にも時期によってニンジン、リンゴ、鮭なども食べています。

5種の飼料を混ぜてふやかしたエサ=8月22日撮影

今月の一くま