のぼりべつクマ牧場通信 62号(2022年8月)

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今年もダイキチがボス就任!!

10年連続ボスとなったダイキチ=7月14日

今年のボス争いはいかに?

のぼりべつクマ牧場のボスが決まり、今年も昨年に引き続き「ダイキチ(16歳)」が就任しました。今年で10年連続のボスとなり、昨年は9年連続で記録が並んでいた16代目ボスの「マツ」を抜き、見事単独での歴代最長記録となりました。ライバルであるマンタロウ(16歳)もダイキチに対して威嚇をしたり、時にはパンチをしたりすることもありましたが、ダイキチが睨むと逃げるため大きな闘争などはなく、今年は目立ったボス争いは見られませんでした。

ダイキチの背中にはヒグマのマーキング行動である背こすりの痕跡を示す脱毛部が目立っており、背こすり頻度の多さが伺えます。

ナッツ(左)とダイキチ(右)の背中の状態=7月10日

背こすりは繁殖期に増加するのが特徴で、強いオスは堂々と見せつけるように行っています。
ボス在位10年連続となったダイキチは、貫禄も増してきました。ダイキチと双子のナッツはダイキチの傍にずっといて、自分もボスだと思っているような素振りを見せることもあります。

ダイキチが安定してボスの座を守ってくれているおかげで、のぼりべつクマ牧場は今年も平和な牧場になりそうです。ダイキチがどこまでボスの座を守りぬけるかも楽しみですが、今後どのように世代交代が起こるのかも気になるところです。

きょうのくまさん

レン♂(11)

顔周りが茶色っぽく明るい毛が特徴です。今年の子グマ、アレンとレナのお父さんです。
レンはマイペースですが、子供のように無邪気な時もあり、ご飯が早くほしい時はお部屋の扉を叩いて「はやく~」と飼育員におねだりする様子もみられます。反面、メスのクマさんにはとても優しく紳士的で、男らしいクマさんです。

ヒグマの食性

今回はヒグマが食べる植物についてお話します。
ヒグマは鋭い牙を持っているため、主に肉を食べていると思われている方も多いかと思います。ですが、実は「雑食性」の動物です。野生では植物や昆虫、木の実、魚など幅広い種類の物を食べています。そのため意外にもヒグマは植物をモリモリ食べます。

ヤナギの葉を与えると取りあいに発展する程の大好物

クマ牧場でもエンリッチメントとして野草を与えており、「ヤナギ」、「イタドリ」、「フキ」など園内に生えている植物を与えています。
しかし、何でもかんでも与えているわけではありません。「テンナンショウ」、「トリカブト」などの危険な毒草を見分けて、安全なものを与えています。

飼育員は、ただ動物のことだけを勉強しているのではありません。動物に与えても大丈夫なものなのかを確かめるために、ヒグマの食性を把握し、植物のことを勉強するのも仕事の一つです。

毒草の「テンナンショウ」

クマ牧場 新イベント情報

第二牧場では、試験的に土日祝日限定で幼獣グマと成獣グマの展示入れ替えを行っており、入れ替え作業もご覧いただいています。

ここでお客様に、是非注目していただきたいポイントを2つご紹介します。1つ目は「体の大きさ」です。幼獣グマは1~3歳で、体重は80~100kg。成獣のクマは9~34歳で、150~200kgくらいです。どちらもメスですが、幼獣と成獣の体の大きさの違いを、是非見比べてみてください。
2つ目は「行動の違い」です。成獣グマは落ち着きがあり、それぞれ個性溢れるアピール方法を見せてくれますが、幼獣グマは、好奇心が旺盛で遊び盛りのため、元気に追いかけっこする様子や丸太によじ登る姿など、動きの違いにも注目してご覧ください。

興味津々な様子で第二牧場の緑のオリに集まる幼獣グマ=7月9日

この他にも、普段見る事のできない飼育員の作業の様子なども、解説を交えながらご覧いただきます。誠に勝手ながらクマの事情により中止となる可能性もありますが、見所盛りだくさんとなっていますので、是非土日祝日に第二牧場まで足を運んでみてください!

教えて!!Q&A

○ペンネーム ハル 様

Q クマさんはどのくらいでアピールを覚えるの?

A のぼりべつクマ牧場のクマさん達は、飼育員からアピール方法を教えてもらうわけではなく、どのようにすればお客様からのおやつを獲得できるか、学習を重ねてアピールをするようになっていきます。1~3歳のクマさんの中ではツクシが一番最初にアピールを覚えました。覚えるまでは、1か月程でした。

まだまだ発展途上な若いクマさんのアピール

今月の一くま