のぼりべつクマ牧場通信 59号(2022年5月)

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すくすく元気に成長中!!!

アナの子グマ(左)とコロンの子グマ(右)=4月18日撮影


子グマの独り立ち

今年1月に生まれた子グマたち4頭の成長は皆順調で、元気にすくすくと育っています。
綿密な健康管理のため、4月18日に子グマを人工哺育に切り替え、現在は子グマ牧場での生活が始まりました。飼育員は元気に遊ぶ様子を見守るだけではなく、ミルクの残量や排泄状況、お腹のハリなどを都度確認しながら、体重測定を毎日行い、子グマの健康状態の把握に努めています。

詳細な観察をもとに、いろいろと分かってきましたので、それぞれの子グマについてご紹介します。まずは、「アナ」の子グマ2頭。胸元に薄く白斑があるオスと、白斑のないメスで、2頭とも体重が10㎏以上と、大きく成長しています。メスは大人しい様子で体重測定などはスムーズですが、オスは警戒心が強く威嚇することもありました。今では、少しずつですが慣れてきてくれています。
一方コロンの子グマ2頭は、2頭共に胸元にくっきりとした白斑が特徴的です。体重は3㎏未満と小柄な体格ですが、アナの子と同様に、メスは大人しく、オスは活発な動きを見せています。

子グマ4頭が初めて顔合わせした時には、小さなコロンの子グマが大きなアナの子グマの体の下に潜りこんだり、4頭が仲良くくっついて眠ったりしています。
また、これから私たち飼育員は、子グマ時代にしか見ることのできない可愛らしい姿をお見せすると共に、母グマの思いをしっかり引き継ぎ、4頭の子グマたちを立派に育てていきたいと思います。

きょうのくまさん

ラン(3)

お父さんは「メルル」で、お母さんは第二牧場にも出てくる「ツムギ」です。お母さん譲りの綺麗な金毛が特徴的で、双子の姉妹である「ハル」ととても顔が似ています。いつも出ている非展示の放飼場ではお気に入りの鉄製擬木に上っていることが頻繁に見られます。皆様が第二牧場にいる際に、どこからか視線を感じたら、遠くからランが見つめているかもしれません。

クマ牧場の春

早いもので、もう5月になり、北海道にもようやく春が訪れました!
様々な野生動物が冬眠から目覚める中、クマ牧場のクマ達も続々と冬眠モードから覚醒(かくせい)モードへと切り替わってきています。活発に遊びまわるクマさんも多くいますが、まだ朝晩は少し冷え込むので眠そうなクマさんもチラホラ…。

活発にレスリングをする様子=4月14日撮影

食欲も冬に比べ、かなり増してきており、沢山ご飯を用意しても、ものの数分でペロッと食べきってしまいます。
個体によっては冬毛が抜けてきているクマさんもいます。人間には微妙な気温の変化でもクマさんたちの体はいち早く春を感じ取って、準備を始めています。

換毛(毛の生え替わり)の様子=4月16日撮影

気温も上がり、より活発に動きまわるクマさんたちに、皆様是非会いに来てください!飼育員一同お待ちしております!

第二牧場の仲良しさん

私たち人間と同じようにクマの中でも仲良しグループがあります。
その中でも、親友を通り越して「恋人」といっても過言ではないメスのモリコとベッキーについて紹介します。モリコは、当麻町で保護された野生のクマです。一方、ベッキーは、のぼりべつクマ牧場で生まれているため、生まれた時からずっと一緒にいたわけではありません。しかし、ベッキーはモリコを溺愛しています。

営業終了後にクマ全頭を獣舎に戻す際、2頭で牧場に居残りし、誰もいない牧場内を追いかけっこやレスリングをし、まるで恋人のような姿を見て、飼育員もつい微笑んでしまいます。
今後もラブラブな2頭をどうか温かな目で見守ってください。

モリコ(左)が移動するとすぐに探すベッキー(右)=3月31日撮影

ナナの冬眠明け

ツキノワグマ「ナナ」(21歳)の冬ごもり(冬眠)明けの様子を紹介します。
今年の冬ごもり期間は、全部で77日間でした。昨年は47日間でしたので、比べると1か月も長く冬ごもりしていたことになります。

3月31日の朝、冬ごもりから目覚めて起きてきましたが、まだ寝ぼけ顔でボーッとしている状態でした。餌を食べるとまたすぐ横になり休息をしているような日々が数日続き、4日目辺りから食欲も増し、起きて活動する時間が徐々に増えていました。
4月の中旬になると、日中の休息時間はほぼなく、エンリッチメント器具内の餌を探す行動や、放飼場を元気いっぱいに動き回るようになりました!

ツキノワグマの「ナナ」=4月12日撮影

今月の一くま