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エース、お姉さまたちと同居!?
一人っ子「エース」、社会化進める
クマ牧場では、同じ空間を複数頭のクマで共有する集団飼育を行っています。数十年前には、クマは野生での生態に合わせて単独飼育が適切と考えられていましたが、飼育環境は餌資源が豊富なこともあり、欧米では社会的コミュニケーションがとれる環境がクマにも必要と考えられています。しかし、昨年1頭で生まれた「エース(1才)」は、他のクマとのコミュニケーションがとれる環境ではありませんでした。
そこで、年齢の近い同年代のクマと合流して、生活を共にしてもらう計画を立てました。
エースは同い年のクマ友はおらず、母スミリと飼育員の愛情を全部独り占めして育ちました。そのため、他のクマと顔を合わせる挨拶もしたことがありませんでした。そんなエースには、1才年上に5頭のメスヒグマのお姉様たち(血縁関係はない)がいます。1才になってから間もなく、放飼場にて、格子越しの挨拶が始まりました。
1か月ほど格子越しの挨拶を継続し、5頭の内1番コミュニケーションを取っていることが確認された体の大きな「ツクシ(2才)」と1対1での同居を行うことにしました。
ハラハラ、ドキドキ、同居生活
エースとツクシが同じ放飼場に出てすぐ、どのような反応をみせるのか、飼育員と獣医師は緊張した表情で見守っていました。万が一には、機嫌を損ねた年上のクマから攻撃される可能性もあるためです。しかし、そのような緊張感はすぐに裏切られました。これまで一緒にいたかのように、レスリングごっこや、追いかけっこをし始めました。積極的に遊びに誘うエースとは反対に、「しかたないな〜」と言っているかのように、少しお姉さんぶった様子のツクシをみて、それぞれの成長を感じるとても素敵なひと時となりました。
現在は「カリン」を含めた3頭で共同生活をしており、お姉さん達に共同生活の極意を教わりながら成長しています。残り3頭も今後合流していく予定ですので、また次回の報告をお楽しみに!
こぐまの名前決定!
今年生まれた子グマを4月29日から子グマ牧場にて一般公開しています。その子グマの名前を来園されたお客様にインターネット経由で募集させて頂きました。
厳正な選考の結果、名前は「ピリカ」と決定いたしました。応募者の方は、「ピリカはアイヌ語で良い、美しい、きれいだ、立派だ、豊かだという意味があり、ウポポイ開設後まもなく生まれたので、アイヌ語のピリカという名前がふさわしい。」という由来や想いを込めてくださっています。ピリカの名前の通り、美しく立派なクマになってくれるよう心から願っています。
「ピリカ」の今。成長ぶり。
最近では、自分から丸太を上り下りする行動や、水辺でジャブジャブと遊んでいる姿が確認されています。飼育員と一緒に追いかけっこをしながら走り回ると、その走る速さにも驚かされます。体重も17㎏を超えてすくすく成長しています。
エゾリス「サン」「サツキ」お引っ越しで展示再開
桜の花も美しく咲きそろう季節になりました。エゾリスのサン・サツキも元気になり、丸太小屋へお引越ししました。以前まで、気温が下がり、体重減少も見られたため、数か月の間、非展示エリアで飼育していました。現在は、元気いっぱい活発に丸太小屋を走り回っています。お引越し当日は、2頭とも丸太小屋の隅々まで一通り嗅ぎまわり、巣箱から出たり入ったりを繰り返し、せわしない様子でした。
また、オスのクシルは引き続き、屋外の飼育場の方で展示しています。今の季節は、食欲も上がり、巣箱の外に出ていることが多いので、是非、リス村まで足を運んでみてください。
NKB総選挙2021始動
毎年恒例、第2牧場にいる個性豊かなメスグマの中から今年の神セブンを決める「NKB総選挙2021」の投票を受付開始。園内に掲示されているQRコードから投票できます。あなたの推しグマへの愛の一票をお待ちしております。投票締切は6月20日(日)を予定しています。
教えて!!Q&A
Q 餌は野菜ばかりですがお肉は食べなくてもいいの?
(ペンネーム あおいちゃん)
A クマさんは人を襲うというニュースもあるため肉食動物と思う方が多いと思いますが、ヒグマは草なども食べる雑食動物です。食べているものの7~8割はどんぐり、野草などの植物性のもので、その他の2~3割は鮭、昆虫類の動物性のものを食べています。のぼりべつクマ牧場では哺乳類の肉は与えておらず、人参、リンゴ、鮭なども与えています。
クマの仲間でもホッキョクグマはほぼ完全に肉食とも言われており、アザラシなどを捕食しているようです。