のぼりべつクマ牧場通信 42号(2020年12月)

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0歳のエース、産まれてから今日までの軌跡

エースのこれまで

2020年1月24日、スミリの産室で1頭の子グマが産声をあげました。その名も「エース」。新型コロナウイルスの影響で、世の中が大変なことになっているのも知らぬまま、スミリの愛情をいっぱい受けてエースは育ちました。例年であれば、4月には子グマの展示が始まりますが、コロナ禍の影響でのぼりべつクマ牧場も感染拡大防止のための休業が続き、エースはスミリと一緒に産室で遊ぶ日々となりました。

5月29日、子グマ牧場にエースはお引っ越し。引っ越し後の体重は9.0kgでした。そこからは、飼育員が母グマの代わりとなり、愛情を注ぎました。エースは、引っ越し先の子グマ牧場で好奇心旺盛に毎日遊んでいました。丸太に登り、小川に入り、岩場を駆け回っていました。プールの中にニジマスを放流し、ニジマスの捕獲を行えるようにしている「ハンティングタイム」も大変得意な子グマでした。

そして、特徴的だったのは、飼育員と遊ぶのが餌よりも大好きなことです。飼育員が子グマ牧場に入ると、エースは飼育員との追いかけっこや、じゃれ合うようなアクションを仕掛けてくるのが好きなようでした。
11月5日には体重48kgを超え、立派な子グマになりました。大きくなったエースは、12月には子グマ牧場から大人の獣舎へお引っ越しをする予定です。

今度、皆様の前に出てくるのは、第二牧場です。「エース」のかっこいい成長した姿を期待して、待っていてください。

立ち上がるエース=11月22日

今月の飼育員のベストショット

「ロッキー専用 小顔ローラー」撮影者 吉見優

クマの腕だめし再開!

飼育員へ猛アピール中のベッキー(後ろ姿)=11月6日

新型コロナウイルス感染拡大防止の為、7月1日より中止していた「クマの腕だめし」を10月21日から再開しました。お客様同士の密を避けていただき、アルコール消毒にご協力をいただきながら開催しています。

約3か月ぶりの腕だめし再開でしたが、第二牧場のクマ達もやる気満々で、腕だめしの醍醐味である、緑のオリを使ったパフォーマンスも、忘れることなく健在でした。ベッキーやモリコなどの変わったアピール方法をするクマや、緑の檻に入るカコ、扉を閉めるエリカが注目を浴びています。
飼育員としては、お客様にクマ全頭の名前と顔を覚えていただきたいので、クマの腕だめしを通して、様々なクマの一面を紹介したいと思っております。

飼育員によってお話しする内容、紹介するクマが異なりますので、是非見に来てくださいね。

北海道生まれ エゾリスの秘密

枝から枝へ飛ぶように走り回り、何かに取り憑かれるようにドングリなどを土の中に隠すエゾリスの秋。エゾリスたちは、他の季節にはどのような行動をしているのでしょうか?

野生では、春から夏にかけて出産時期を迎え、警戒心が高まります。夏から秋にかけては、食欲が上がり、餌を探し求めて行動が活発になります。クマ牧場で飼育しているリスたちも、その季節は食欲がとても上がる為、急に人間が大好きになったかのように、餌を持つ飼育員の手に群がるリスが多くなります。健康管理の為に、餌で誘導して行う毎日の体重測定も、この季節はスムーズに行うことができます。冬は、シマリスなどとは異なり冬眠はしませんが、気温も下がり、日照時間が短くなると、複数頭いる所では、巣箱の中で固まって体を寄り添いあって寝ていることが多くなります。

このように、季節によって食欲の差がでてきたり、行動の違いが見られたりします。季節によるエゾリスの行動の変化に、是非注目してご覧ください。

木の根元の土の中に餌を隠すエゾリス

動物慰霊祭を行いました

11月7日、動物慰霊祭を行いました。動物慰霊祭とは、1年間に亡くなった動物たちを供養する祭式です。平成4年に獣魂碑を建立してから、会社設立日に合わせて、毎年11月7日に行っています。

今年亡くなった動物達は、ヒグマ6頭(サチオ・ホクト・サザエ・メリリン・ハイジ・ユヅル)、ツキノワグマ1頭(ノビタ)、エゾリス1頭(メイ)、アヒル4羽(ホイップ・カール・クロクロ・アオアオ)です。
動物たちの好きなリンゴや柿、栗、ドングリなどを供え、スタッフ一同冥福を祈りました。お客様から頂いた果物もお供えし、天国に旅立った動物達も喜んでいることでしょう。

のぼクマ劇場

なる作