のぼりべつクマ牧場通信 29号(2019年11月)

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その食欲まさにブラックホール

落ち葉の下にある餌を探す高齢グマたち=10月27日、B放飼場


規格外の食欲
食欲の秋とはよく言ったもので、のぼりべつクマ牧場のヒグマたちは食欲が急増しています。この時期のヒグマたちの食欲は、人間の大食いチャンピオンなんて目じゃないほど食べます。餌の配合飼料やサケ、ニンジン、どんぐりなど、まるで飲み物のようにぺろりと平らげてしまいます。
 
秋にヒグマの食欲が上がることには理由があります。ヒグマは冬に冬眠をします。ヒグマの冬眠は排泄も一切せず、飲まず食わず過ごします。そのため、秋はたくさん食べて脂肪を蓄えておく必要があります。また冬眠中の様子は巣穴にこもっているだけのようにも見えることから「冬ごもり」とも呼ばれています。
 
のぼりべつクマ牧場のヒグマたちは冬でも餌を与えているため、冬眠はしません。しかし、体の中は冬眠に近い状態となっているため、食欲が最も下がる冬は、秋の三割ほどしか食欲がありません。
クマたちにたくさん食べてほしい飼育員にとって秋は、餌の準備が忙しくまさにスポーツの秋です。
 

今月の飼育員のベストショット

「クマが小さく見えるタイヤ」撮影者:猪野彩音

きょうのくまさん

好奇心旺盛で飼育員が目の前を通ると近くによってきます。木に登りドングリの入った木箱で遊ぶのが好きです。2歳になった今も元気にバックヤードで遊んでいます。耳の毛が白いのが特徴です。
 

コテツ♂(2)

クマやリスに大好評!どんぐり割引の秋!

毎年10月にのぼりべつクマ牧場では「どんぐり割引」を実施しており、今年も実施させて頂きました。お持ち頂いたどんぐりの量で入場料がお得になるイベントです。
 
皆さまから頂いたどんぐりは飼育しているヒグマやツキノワグマ、エゾリスの餌として与えさせて頂いております。栄養価の高いどんぐりは秋の代表的な食糧です。どんぐりは動物たちにとって秋の味覚として美味しいだけでなく、氷点下が続く厳しい寒さとなる北海道の冬を生き抜くために、欠かすことのできないアイテムとなっています。
 
どんぐりを与えるとヒグマたちはせっせと1粒1粒素早く口で吸い取り、まるで掃除機のような早で食べています。早いだけでなく、器用に口から殻を出しながら食べていました。おそるべき能力です。
 
エゾリスにどんぐりを与えると、前足でしっかりと持って走っていきます。なにをするのかと見ていると、巣箱や地面にどんぐりを隠して冬支度をしていたり、他のリスにとられないように少し離れた場所や木の上などで食べたりしていました。
たくさんの美味しいどんぐりをご提供頂き、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします!
 

どんぐりを食べるヒグマたち=10月28日、子グマ牧場

エブリデイ!エンリッチメント

クマのアスレチッックの主役「ショコラ」にエンリッチメント器具をプレゼントしました。木の先端に木の実やおやつを入れたものを取り付けた器具です。実がなっている木をイメージして作ったこの器具は、クマたちに大人気です。木の実やおやつを爪や歯を使って器用に中から出して、おいしそうに食べてくれます。また、いつもと異なり、木の高い位置にもおやつを付けてあります。高い位置についてあるおやつをとるために立ち上がって木を噛んだり、つかんだり、倒したりとクマたちがそれぞれ個性あふれる遊び方をしてくれています。
 

器具を倒して遊ぶショコラ=10月18日、獣舎

教えて!!Q&A

〇ペンネーム「おでこが砂漠」さん
Q クマは犬のように鼻がききますか
A クマの嗅覚は、最も嗅覚の優れた犬種の7倍もあると言われています。のぼりべつクマ牧場ではクマの嗅覚を利用したエンリッチメントを取り入れています。壁にサバやサケをこすり付けて、その匂いを付けたり、消防ホースなどのおもちゃの中におやつを入れたりして、クマたちが臭いでおやつを探せるようにしています。
 
〇ペンネーム「ゆかこ」さん
Q クマはハチミツが好きですか
A のぼりべつクマ牧場のクマは、ハチミツが大好きです。採血や健康管理のトレーニングを行う際にハチミツ水をご褒美として使うこともあり、おいしそうに舐めてくれます。
野生ではハチミツだけでなく、蜂の子を食べることで豊富なたんぱく質と脂質を摂取しています。

のぼクマ劇場

なる作

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