のぼりべつクマ牧場通信 27号(2019年9月)

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大量のニンジンが来る!旬の味にヒグマも舌鼓!

のぼりべつクマ牧場では、旬の野菜や果物を農協から大量に購入し、餌としてクマたちへ与えています。夏~秋には洞爺湖から飼育員が1回に1トンものニンジンを運んできます。今の季節、クマたちはニンジンが大好物です。他の餌と混ぜて与えると、掻き分けて一番はじめに食べだします。
でも、繊維質は十分に消化できないので、ニンジンを食べたあとはほとんど消化されずにフンに出てきます。牧場内でオレンジ色のフンがあったら、クマたちがニンジンを食べた証拠です。
旬の野菜や果物は入手できたタイミングに「オヤツ小屋」にて期間限定で販売しています。
 

大量のニンジン(左)、カットしたニンジンを食べるロッキー(右)=8月27日

一日園長・副園長

登別市内の小学生を対象に募集し、実施している「一日園長・副園長体験」が8月4日に行われました。一日園長に土屋龍翔くん、一日副園長に有久幹汰くんが、抽選の結果選ばれました。チェックシートを見ながら、園内やバックヤードの巡回などを行って頂きました。二人とも最初は緊張した様子でしたが、スタッフの解説を受けながら、最後まで一生懸命取り組んでくださいました。
 

飼育員と記念撮影をする一日園長(左)、一日副園長(右)=8月4日

「サザエ」、「ハイジ」、「ヒバリ」、第二牧場卒業

長年第二牧場の最前列で積極的におやつアピールをして、お客様に人気だった「サザエ」(29)、「ヒバリ」(29)、「ハイジ」(28)、の3頭が卒業しました。寄る年波には勝てず、最近は動きもゆっくりになってきたり、日中も寝ている時間が多くなったり、すっかりおばあちゃんとなりました。8月18日にバックヤードの非展示スペースにお引越しをしました。
 

今月の飼育員のベストショット

「むちむちボディ」撮影者:吉見優

子グマへ涼しさを氷中果物プレゼント!

8月3日~8月31日の土日、暑い夏を乗り切るために子グマたちへ氷中果物をプレゼントしました。最初は6頭とも初めて見る凍った果物に、とても警戒をしていました。回数を重ねていくと、飼育員に早く氷をくれと催促するようになりました。今年は連日夏日が続き、クマたちもバテ気味だったため、みんな冷たい氷に大はしゃぎしていました。
 

タカオの氷を狙うミズキ(左)、氷を抱え込むカリン(右)

エブリデイ!エンリッチメント

8月16日・17日に北海道に接近した台風10号。強風によってたくさんの木の葉や枝が飛ばされてきました。飛ばされてきた木の枝を子グマたちにあげると、嬉しそうに食べていました。
 

ヤナギに群がる子グマたち=8月17日

教えて!!Q&A

〇ペンネーム「hi」さん
Q1 クマはオスグマとメスグマどう見分ける?
A1 クマの雌雄判別は成獣だと体の大きさでわかります。メスの平均的な体重は100~200kg、オスは約200~400kgと約2倍も体重差があります。のぼりべつクマ牧場では第一牧場にオスグマを、第二牧場にメスグマを展示しています。みなさんが見ても分かりやすいほどの体格差ですので、ぜひ見比べてみてください。展示個体の中で一番大きいクマは、ダイキチで450キロもあります。成長途中のクマや子グマの体の大きさは雌雄で変わりません。体格による雌雄判別ができないので、生殖器を見て判別しています。

成獣オス(左)、成獣メス(右)


 
Q2 野生のクマと動物園のクマはどっちが健康?
A2 野生動物は生息している自然環境に適応するように長い年月をかけて進化しているので、その自然環境が維持されていれば健康に過ごせます。自然環境が悪化したり、急激に変化したりすると、不健康になることもあるかもしれません。野生ヒグマは一日の大半を歩いては食べ、歩いては食べる生活をしています。また好きな時間に好きな場所で休み、多様な行動をしています。野生ヒグマの生活には毎日「刺激」が溢れています。
のぼりべつクマ牧場では野生ヒグマの生活になるべく近づけるように、さまざまな工夫をしています。餌を食べている時間がなるべく長くなるように、餌を隠したり、回数を分けたりしています。また、食べた後も退屈な時間を減らすため、消防用ホースや浮き球などの遊び道具を与えるなど、野生ヒグマのような健康的な生活環境づくりを目指しています。

のぼクマ劇場

なる作

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