のぼりべつクマ牧場通信 15号(2018年9月)

(↑クリックでPDFをダウンロード)

 

クマ大喜び 大量のニンジンがやってくる


牧場内にオレンジ色のフンが!クマはニンジンが好きなのか?
今年は例年よりも涼しいので、クマの食欲増加が著しいです。クマ牧場では主食として、トウモロコシ、ビート(てん菜)、クマ用配合飼料、ウシ用配合飼料、ビタミン剤などを混ぜた飼料を与えています。その他に、旬の野菜や果物をクマたちに与えるため、夏は大量のニンジンを購入します。1回に1㌧のニンジンを仕入れ、それを約80頭のクマが2日半で平らげます。またこの時期は、園内で販売している「クマのおやつ」にニンジンが加わります。クマは植物質のものを主に摂取する雑食性の動物で、ニンジンは大好物です。獣舎での給餌時は1本丸ごと与えており、強靭な顎で難なく食べてしまいます。
この時期に牧場の床を見ると、オレンジ色の塊が落ちていることがあります。それはニンジンを食べたクマのフンです。
クマの消化器官は植物性のものを消化しづらいので、みじん切りになったニンジンのようなフンが排泄されます。

ニンジンを食べたクマのフン=8月12日

小学生が園長に?!

リラックスしたようすでアイヌ資料館の展示物をチェックする園長と副園長。=8月5日


登別市内の小学生を対象に実施している「一日園長・一日副園長」が、8月5日に行われました。このイベントは、今年で10回目の開催となります。応募総数約100通の中から抽選をした結果、一日園長には「赤坂斗吾さん」・一日副園長には「内海夢花さん」が選ばれました。一日園長・副園長の仕事は、「チェックシートを利用した園内巡回」・「アヒルレースのお手伝い」・「バックヤード視察」です。任務を終えたお二人からは、「大変貴重な体験ができてとても嬉しいです」、「アヒルレースのお手伝いがおもしろかったです」とのコメントをいただきました。
 

ペアリングが無事に終了

ペアリングとは?
今年は5月26日から7月26日までペアリングを行いました。
ペアリングとは、赤ちゃんを産むためにオスグマとメスグマが繁殖期間を一緒に暮らすことです。普段オスとメスは、第一牧場と第二牧場に分かれているように、獣舎内でも別々で暮らしています。ペアの個体は、血統や相性を考慮し、あらかじめ飼育員で話し合って決めています。
今年は5ペアのペアリングを行い、その他に2ペアで人工授精も実施しました。ペアリングが終了したらそれぞれ元の群れに戻りますが、妊娠の可能性があるメスグマは、12月ごろから産室へ移動して出産準備に入ります。それまでにたくさんの餌を与えて、十分に脂肪をつけてもらいます。来年も元気な子グマが生まれますように。
 

ペアリング中のショースケとマリン。仲睦まじいペアでした=7月20日、A獣舎、右からマリン、ショースケ

日進月歩の子グマたち

「子グマに氷中果物プレゼント」
今年も8月の土日祝日に「子グマに氷中果物プレゼント」を、開催しました。大きな氷の中に入った果物を子グマたちに与える、毎年恒例のイベントです。今年は氷の中に「リンゴ」、「スイカ」、「パイナップル」を入れて凍らせました。パイナップルは初めての試みで、子グマがどのような反応をするのか予想がつきませんでした。
しかし、パイナップルを与えてみると警戒せずに食べ、リンゴやスイカと同じような人気ぶりでした。
木の台座の上に3つの氷中果物を置くと、3頭の子グマたちが一斉にかぶりつき始めました。ショウヘイはわき目も振らずに好きな果物にめがけていきました。ある程度かじると木の台から氷を落としたり、水路へ落とした氷を取りに行ったりと、落ち着きがありません。控えめなベクトは、ショウヘイの好きな氷中果物を取ると喧嘩になるのが分かっているのか、大人の対応をみせていました。トッキーは周りを気にせず、マイペースに氷をかじっていました。
そんな子グマたちもすっかり大きくなり、ショウヘイ31kg、ベクト42・3kg、トッキー39・6kgと、抱えて量るのも一苦労です(8月13日現在)。離乳も終わり最近ではニンジンも与え始め、大人のクマとほとんど変わらない食事になってきました。
 

子グマに氷中果物プレゼント=8月4日、右からショウヘイ、ベクト、トッキー


今年も襲来!ヘビ VS 子グマ
クマはヘビが苦手です。独特なにおいが駄目なのか、ウネウネする動きが駄目なのか、苦手な理由はまだ明確にはわかっていません。
今年の3頭の子グマがヘビと初対面したのは7月30日です。最初は見たことのないヘビに興味津々なようすで近寄っていき、においを嗅いだり触ったりしていました。ところが隙を見たヘビが威嚇すると、子グマたちは一斉にその場から逃げて行きました。その後はヘビの動きに警戒し、遠くでヘビを見つめるだけでした。
 

初めてのヘビに興味津々で近づく(写真左)=7月30日、右からトッキー、ショウヘイ
動くヘビに驚き警戒する(写真右)=7月30日、右からショウヘイ、トッキー、ベクト

教えて‼Q&A

〇ペンネーム「ななちゃん」さん
Q クマはいろんな種類がいるけど、1番大きいのは何?
A 世界には大きく分けて8種類のクマが生息してします。1番大きな種類は「ホッキョクグマ」です。ベルクマンの法則というものがあり、近縁種間で寒い所に住む動物ほど体が大きくなる傾向があります。ヒグマも寒い地域を主な生息地としている動物で、クマの中では2番目に大きな種類です。
 

のぼクマ劇場

作:さとうりさな

きょうのくまさん

レッドとテンテンの子で憎めない顔をしている。同い年のマリンとペアリングを行い、来年は父親になるかもしれません。今は同い年のメルル、ツララとともに暮らしています。第一牧場のとなりで遊んでいる姿が見えるかも?
 

ショースケ♂(5)


飼育員は見たべあ!一覧はこちら