皆さんは、のぼりべつクマ牧場に「ボス」と言われるクマがいることをご存じですか?
オスメス合わせて計70頭以上いる、のぼりべつクマ牧場の「頂点」ともいうべき存在。どんなクマがどのようにして君臨しているのか、今回お話させていただきました。
「ボス」という表現は、自然界では全く耳にしない言葉だと思います。そう、「ボス」というのはクマ牧場内で飼育されているヒグマに用いている表現なのです。圧倒的にケンカの強いクマのことを表し、そのクマのおかげでクマ同士のケンカも抑制されたりします。
ちなみにメスグマのケンカは口げんかのようなものがほとんどで、取っ組み合いのケンカはあまりないので、圧倒的に強いクマはおらず「ボス」もいません。
「ボス」のクマは、クマと飼育員の双方から「ボス」と認められます。クマたちからは、「強さ」をもってボスとして認められ、飼育員からは、「強さ」に関連する「ケンカの勝敗」や「背こすり回数」、「性格」でボスとして認められます。「背こすり」とは、野生では木々に背中をこすりつける行動で、一種のマーキング行動と言われています。ケンカや背こすりは繁殖期の5~7月に増えるため、その時期に「ボス」が決定します。
2016年までは安定してダイキチが「ボス」に就任していましたが、昨年はマンタロウが一波乱起こし、のぼりべつクマ牧場の頂点を揺るがす戦いが起こりました。
今年はどのような展開でボスが決まったのか…。なんと今年はとても穏やかで平和なボス争いとなりました。
というのも、ダイキチは相変わらずの恵まれた体格を維持しており、マンタロウはなかなか挑むことができませんでした。ナッツやコタロウもダイキチに加勢するクマとしてマンタロウに睨みをきかせていました。唯一ダイキチに反抗すると予想されていたマンタロウも今年はほとんど挑むことができず、安定感のあるダイキチがボスになり、6年連続の長期政権となっています。
「ボス」はクマからも飼育員からも頼りにされる存在。
是非皆さんも一度、のぼりべつクマ牧場の頂点を見に来てはいかがでしょうか??