のぼりべつクマ牧場通信 52号(2021年10月)

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今年もやってきた!「食欲の秋」

リンゴをゲットして、見せびらかすように食べるピリカ=9月21日

食欲やいかに。クマに変化が訪れた?

こんにちは、食欲の秋。
5月~7月中旬の繁殖期には、餌よりも異性を気にしていたクマたちですが、今は異性よりも餌に夢中です。なぜなら、脂肪をたくさん蓄え、冬支度をしている最中だからです。最近は、いつもの飼料(クマ用配合飼料、牛用配合飼料、ビートパルプ、トウモロコシ)に加えて旬なニンジンを与えています。

いつものエサ(茶色)より先にニンジンを食べるクマたち=9月15日

ニンジンは、1頭のクマが1日に数十本も食べてしまいます。クマたちを満足させるにはとても多くの量が必要になりますが、農業協同組合からニンジンを大量に購入してまかなっています。
また、秋の餌としては欠かせない、カロリーの高いサケやドングリを与えて、冬に向けての体づくりをしていきます。そして、毛が生え変わる換毛期が終わり、比較的シュッとスッキリしているクマが多いのもこの時期の特徴です。
夏毛と冬毛では別人のように変わるクマもいて、飼育員でも一瞬、誰だ?と戸惑うこともあります。

冬毛のスミリ(左)、夏毛のスミリ(右)

今年のクマたちの様子は?

秋から冬にかけて皮下脂肪が増えて、体格も丸々と太ってきます。餌を食べた後には、ポッコリとしたお腹で満足そうな顔をして寝ているクマも多くみられます。皆さん、秋は何を思い浮かべますか?

目覚める野生の血

のぼりべつクマ牧場では、今年も9月4日~10月3日の土日祝日限定で『子グマのハンティングタイム』を行いました。子グマ牧場の中に大きな水槽を設置し、ニジマスを水槽内に放します。野生でも、サケを捕まえたりしている様子を想像できるかと思いますが、このハンティングタイムではその狩りを実際に経験してもらいます。

後肢を残して水に少し警戒するピリカ=9月4日

ピリカは、初日からハンターとしての素質がありました。初めは水槽に入るのも躊躇していましたが、1匹目を捕まえてから感覚を覚え、2匹3匹と捕まえる時間が段々早くなり、ハンティングタイム中の10分足らずで4匹も捕まえることができるようになりました。可愛い名前と見た目ですが、たくましいハンターですね。

水面を走るようにニジマスに飛びつくピリカ(右)
夢中で獲ったニジマスを食べるピリカ(左)

ニジマスってどんな魚?

クマさんたちの大好物の魚「ニジマス」についてお話します。
その名の通り、繁殖期になると体がキレイな虹色になるためニジマスという名前がついています。

クマ牧場のハンティングタイムイベントに登場する魚はこのニジマスです。日本の河川にも多く生息しているこのニジマスですが、元々日本にいたわけではなく海外から持ち込まれた魚です。このような生き物を「外来種」といいます。
外来種の動植物は元の自然環境に影響を及ぼすこともあるため、もし捕まえても他の地域に逃がしたり、捨てたりしないようにしましょう!飼育員との約束です!

教えて!!Q&A

○ペンネーム「きなこ」さま

Q 引退したクマ達の生活が知りたい。

A 展示メンバーからの引退は、高齢による運動能力の衰えが原因となることが多いので、ゆっくりと獣舎で寝たり、食べたりしながらゴロゴロと過ごしています。その中でも足腰に問題のないクマは放飼場に出る時もあります。
また、長い時間獣舎内にいても暇にならないように、クマ達に遊び道具を与えたり、食べる時間を延ばすよう餌の与え方を工夫したりしています。

引退したクマ「ニイサ」のまったりタイム=9月16日

今年もやります!どんぐり割引

9月27日(月)~11月19日(金)にどんぐりを持ってご来場いただきますと、お持ち込み頂いたどんぐりの量に合わせて、入場料がお得になります!詳しくはこちらのお知らせをご覧ください!

のぼクマ劇場

なる作