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ちびっこグマ6頭が大人の第二牧場に!!
初めての大冒険
2021年12月28日、11時45分から営業終了時間まで、通常大人のメスを展示している第二牧場に、当時1歳と2歳のメスグマたちが登場しました。子グマ牧場を卒業して間もない幼獣を展示するイベントは、60年以上の歴史を持つのぼりべつクマ牧場において、初の試みとなりました。
展示場に登場したメンバーは、2019年生まれの「カリン」「ミズキ」「ツクシ」「ハル」「ラン」と2020年生まれの「エース」の全6頭です。
11時40分頃までは、NKB総選挙で名前の知れたベテランのクマたちがおやつアピールなど、様々な動きを見せていました。クマの腕だめし終了後、ベテランのクマたちをお部屋に戻し、やんちゃな6頭が第二牧場に顔を出しました。
トップバッターで登場したのはランです。直前まで自分より何倍も大きなクマたちが出ていた展示場にも、全く警戒することなく出て来ました。本来、ヒグマはとても警戒心の強い動物なので、初めて見る物や初めて聞く音、初めて嗅ぐ匂いなどにはとても敏感に反応するはずです。なぜでしょう。
ここで飼育員の影の努力が光ります。1週間以上前から第二牧場に隣接する屋外放飼場にて、第二牧場にいつも展示されるベテランクマ達と格子越しにコミュニケーションを取ってもらう訓練を行っていました。その甲斐あってか、6頭はお互いに誘い合うように、順々に出てきてくれました。
お客様にご観覧いただいている状況での登場は初めてであったため、展示場でどのような反応をし、どのような動きを見せるのか、飼育員は胸をときめかせながらも不安に思っていました。しかし、そんな心配をよそに、6頭は幼獣ならではの集団で取っ組み合うようなレスリングや急に始まる追いかけっこ、雪掘りなどの雪遊び、展示場内を探検するなど、ベテランのクマたちでは中々見ることができない行動を見せてくれました。
次に皆様の前に登場するのはいつになるのか、お楽しみに!
飼育員のBest Shot!
エコー検査で2頭の赤ちゃんを確認!
繁殖を目的に、昨年の繁殖期にロッキーとコロンは同居を行いました。その後、コロンは北海道大学繁殖学研究室のご協力のもと、出産に向けた生殖器の状態を確認するために、定期的に超音波検査を行っていました。この検査により、排卵した卵子数の把握や、妊娠異常の早期発見などが可能になります。そして、出産のための準備を整えた「産室」に移動する前の12月下旬、コロンに最後の超音波検査を行うと、卵巣には2つの黄体が確認され、なんと2頭の元気な胎子も確認できました!大きさは4㎝程度で、心臓の拍動も確認できています。繁殖期にロッキーと育んだ愛の結晶は、順調にコロンの子宮の中で成長していました。
貴重な超音波検査の結果となりましたが、実はヒグマにおいては血中ホルモン濃度などで妊娠診断ができる確実な方法が未だにありません。また、ヒグマは受精したのち、受精卵が子宮の中で成長を止める「着床遅延(ちゃくしょうちえん」というメカニズムをもっています。そのため、出産時期となる1月から2月に近づかないと超音波検査で確認可能な大きさの胎子を確認することが出来ません。現在のコロンは、出産に向け藁が敷き詰められた産室内で落ち着いている様子です。2頭とも無事に生まれてくることを飼育員一同切に願っております。
教えて!!Q&A
○ペンネーム ねずこ さま
Q クマのうんちは臭いですか?
A 正直に答えます。個人的には、したばっかりのホヤホヤうんちは臭いです!
しかし、馬や牛の草食動物に比べて、植物の消化に特化していないので、食べたものがほとんどそのまま、うんちとして出てきます。その為、前日にかぼちゃを与えると翌日のうんちは黄色っぽいですし、りんごを与えると、すりおろしりんごのようなうんちが出てきます。
ほとんどそのまま出てくるため、何を食べているのかが分かりやすいのもヒグマのうんちの特徴です。また、私たち飼育員にとって毎日のクマの観察の中で、健康かどうか、うんちは見逃せないポイントです。実際に臭いとは言いましたが、慣れもあるのか、むせるほどではありません。よっぽど、実家の犬のうんちの方が臭いですね。
きょうのアヒルさん
唯一のオスであるギンジロウはとても寂しがり屋ですが、優しいアヒルです。1羽でいると鳴いていることもありますが、最近では1歳の若いアヒルとも仲良く一緒に遊んでいます。時には喧嘩をすることがありますが、「喧嘩するほど仲がいい」とはこの事だと思います。寂しがり屋のギンジロウですが、レースになると、上位を争うぐらいのとても男らしい走りを見せてくれます!