のぼりべつクマ牧場通信 40号(2020年10月)

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子グマのハンティング2020 レディーハンター現る!

ニジマスをハンティングするエース=9月19日

9月の土日祝日限定で「子グマのハンティングタイム」を行いました。野生のヒグマは川でサケを獲って食べる個体もいます。このイベントでは、その状態に見立てて子グマ牧場内に水槽を設置し、ニジマスを入れ、子グマに狩りを経験してもらうイベントです。今年は、エース1頭だけでのハンティングタイムでした。
初めの頃は、なかなかニジマスを獲ることもできず苦戦していましたが、回数を重ね、魚を捕まえることに慣れてくると、一発でニジマスを仕留めるなど、前肢を起用に使い、深い所にいるニジマスを水面に近い所まであおり、口でくわえて捕まえることもできるようになりました。

ハンティング初回は?

初ハンティングの日、初めて自分の力で1匹目を獲得した時、エースは嬉しそうに、ニジマスをくわえたまま牧場内を走り周り、飼育員から見えにくいところで少しずつニジマスを食べていました。
落ち着かないのか、警戒しているのか、同じ場所で完食するわけではなく、少し食べては移動しながら振り回すなどエースなりの食べ方を探しているようでした。

クマによっては、水槽の外側から動くニジマスを目で追いかけるだけで上手に捕まえることができないクマと、どこで習得してきたのか、初回から上手にニジマスを捕まえることができるクマがいます。エースは上手に捕まえることのできる、優秀なハンターでした。
ハンティングを通してまた一歩ずつ成長していったエース。これからも元気よく立派な大人になってくれることを願っています。

スミリ母さん、第二牧場に復帰

2020年1月24日、スミリの産室でエースは誕生しました。今では、エースはすくすくと育ち、子グマ牧で遊んでいます。
一方、スミリはというと、冬の間出産のために1頭で生活していたため、集団生活に戻れるように、第二牧場への復帰準備を進めていました。まずは、冬の間こもっていた産室から出て、明るい放飼場や獣舎に慣れてもらいます。巣穴のような構造の産室はクマの体臭が強くなっているため、他の個体が過剰に反応しないよう、数日かけて臭いを戻していく時間も必要です。そして、それらを終えた後、第二牧場のクマと少しずつお見合いをして、集団生活に戻ることができます。
エースのお母さんの元気な姿をぜひ第二牧場でご覧になってみてください。

第二牧場の端からこちらを見つめるスミリ=9月15日

萩野獣医のサラッと答えます

Case1
「アヒルも病気になるの?それはどんな病気?」

アヒルは丈夫で病気になりにくいというイメージがあるかもしれませんが、アヒルだからこそなりやすい病気もあります。
その一つが足の裏にタコが出来てしまう「趾瘤症(しりゅうしょう)」です。肥満や運動不足、硬い床材等の様々な要因で発生する病気と考えられています。クマ牧場のアヒルも趾瘤症にかかってしまっており、定期的に治療を行っています。アヒルは太りやすい体質で、足に負担がかかりやすいため体重管理は非常に重要です。

現在、趾瘤症対策として体重に基づく給餌調整や人工芝の設置等を行っていますが、なかなか根絶には至っておりません。困難な道のりですが、アヒルの健康を守るために飼育員、獣医師一丸となってこれからも全力で取り組んでいきます!

趾瘤症治療前(左)=2019年9月20日
趾瘤症治療後(右)=2020年4月5日

教えて!!Q&A

〇ペンネーム「匿名希望」さま

Q クマにあげられる「クマのおやつ」は何からできているのですか?

A 「クマのおやつ」は主にトウモロコシや大豆、魚が含まれており、必要不可欠なビタミン、ミネラルといった豊富なバランスのとれた栄養素が配合されてできています。
季節によってですが、お客様がクマにあげられるものとして野菜、果物も登場します。いろいろなおやつをあげてみて、クマ毎のアピールの違いもぜひご覧ください。

2020 NKB総選挙結果

今年のNKB総選挙、第一位が「ベッキー」に決定致しました。
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きょうのくまさん

ション ♀(推定年齢36歳)

現在、のぼりべつクマ牧場で飼育されているメスグマの中でも長老となる。人間の年齢に換算すると100歳越えです!一時、歯の調子が悪く、治療する期間もありましたが、見事復活しました。
今では餌を目の前にすると一番手を狙う勢いで来るぐらい元気なおばあちゃんです。

今月の飼育員のベストショット

「光輝くエース」撮影者:萩野恭伍

のぼクマ劇場

なる作