のぼりべつクマ牧場通信 23号(2019年5月)

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5頭の子グマ一般公開


今年は計5頭の子グマが育ちました。
のぼりべつクマ牧場では野生とは異なり集団飼育をしています。そのため、子グマの頃から集団生活に慣れてもらう必要があります。子グマをこぐま牧場へ移動させる際は母グマだけ産室から出てもらいます。母グマは餌で産室の外まで誘導します。
例年は子グマを連れて行こうとする母グマや、産室から出ることを警戒するクマもいますが、今年の3頭は例年にないほどすぐに産室から出ました。
 
こぐま牧場へ移動した子グマたちは最初に身体測定をします。
マリンの子は体重4.7kgの女の子。性格は親譲りのとてもやんちゃな子です。
ツムギの子は2頭共女の子で白斑(胸の白い模様)のある子は体重6.6kg、性格はとてもおとなしい子です。白斑の無い子が7.6kg、右耳が小さく5頭の中で一番控えめな子です。
シズクの子も2頭共女の子でした。白斑のある子は体重が7.2㌔、白斑が大きなVの字をしていて、とてもおとなしい子です。白斑の無い子は体重7.2kg、5頭の中で1番食いしん坊で、いつもミルクをすぐに飲みに来ます。
 
ここ3年は男の子しか生まれていませんでしたが、今年は全頭女の子でした。この子たちがどのようなかわいい成長を遂げるのか、「飼育員は見たべあ!」で報告していきます。

今月の飼育員のベストショット

「あと5分だけ…」 撮影者:舩橋 翔眞

いってらっしゃい!テツロウ!

4月25日にオスグマのテツロウ(12才)が関連施設のベア・マウンテンに引っ越しをしました。テツロウは第一牧場で9年間活躍してくれたクマです。木製のお立ち台に登っておやつアピールをするので人気者でした。ボス争いでは毎年ボスのダイキチに惨敗していますが、諦めずに毎年果敢に挑み続けました。
ベア・マウンテンは4月27日から営業しています。テツロウは環境に慣れるまで見ることはできませんが、少し違った環境のヒグマを見に行ってみませんか。
 

お立ち台からアピールするテツロウ

ヒトのオリがリニューアル

4月の運休期間に人気スポット「ヒトのオリ」をリニューアルしました。特に通路は洞窟のような空間に変わっています。中に入ると今にも奥からクマが出てきそうです。クマが出てこないか慎重に歩きながら五感で楽しんで下さい。
※出てきてもクマは窓越しですので安心してお入りください。
 

ヒトのオリの改装前(上)改装後(下)

エゾリス舎 新しくなったよ

1月からオスの部屋を改装工事していました。森の中をイメージして作り、壁や天井も木製にしました。見どころは木製のつり橋とガラス面近くに付けた台です。つり橋は今までつけたことがありませんでした。リスがちゃんと渡ってくれるか飼育員も楽しみにしています。
 

枝を増やし森の中をイメージした部屋

教えて!!Q&A

〇ペンネーム「ゴンゾウ」さん
Q のぼりべつクマ牧場のクマは冬眠しないのですか?
A のぼりべつクマ牧場では冬の間に餌を与えているので野生と同じような冬眠はしません。ただ、食欲は著しく低下し数日の間は食べなくても平気になったり、運動量も大きく減って寝る時間が増えたりします。外から見ただけでは動いているのであまり違いが分かりませんが、体の中では冬眠に近い変化が起きています。
 
〇ペンネーム「えりも」さん
Q それぞれのクマの名前は誰が決めているのでしょうか?
A 名前はその年に生まれた子グマの中で、お客様からどんな名前がいいか募集をします。名付け親になった方は、命名式に参加してもらっています。今年は2頭の名前を募集します。どんな名前が良いか、皆様のアイディアお待ちしています!
 

エブリデイ!エンリッチメント

消火ホースを短く切り、そこにクマたちの大好きな餌を入れました。ツキノワグマにあげると、まるで羊かんを食べるように押し出して簡単に食べてくれました。あまりにも簡単に食べられてしまったため、今度はホースを結んでみました。かなり難しそうにチャレンジしていましたが、翌日にはほどいて食べていました。飼育員が出す難問をクリアし、スッキリした顔をしていました。
 

編んだホース(左)ホースからおやつを押し出すノビタ(右)

のぼクマ劇場

なる作


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