のぼりべつクマ牧場通信 8号(2018年2月)

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産室特集2018

産室のクマに異変 彼女たちの身に一体なにが…?
12月16日から、妊娠の可能性のあるメスグマの産室移動が順次行われました。室内は冬眠(冬ごもり)中の巣穴のようにたくさんの巣材が敷き詰められており、巣穴の環境に近い獣舎になっています。産室に入ってから、数日後には食欲が落ちる変化が見られました。なぜ食欲が低下したのでしょうか。
 

野生のヒグマは秋にしっかりと脂肪を蓄え、冬ごもり中は餌や水分を一切摂取することなく春を迎えます。そして妊娠をしているメスグマはその際に出産を行うのです。飼育下のクマたちにも四季のサイクルがあります。秋は食欲が増し、たくさんの餌を食べ、逆に冬は食欲が落ちるので大幅に餌量が減ります。さらに産室のメスグマは、放飼されているクマたちの4分の1ほどになります。その理由は、野生のヒグマの冬ごもりに近い状況だからと考えられています。
 
監視カメラ導入へ

試験的に計3台の監視カメラを産室内に設置しました。過去にも産室内をカメラ撮影したことはありましたが、今回設置したカメラは室内の状況をより鮮明に映し出すことができます。これによりデリケートな状態の母グマにストレスを与えることなく、常に観察をすることができるのです。映像を残すことにより、出産という貴重な瞬間も捕えることができるかもしれません。そして、まだわからない部分が多いエゾヒグマの出産の謎を解き明かすヒントが得られるかもしれません!
 
現在、産室にいるメスグマたちはとても良い状態で、しっかりとワラで巣を作っています。新たな生命の誕生に期待を寄せながら、飼育員一同暖かく見守っていきたいと思います。
 

産室のメスグマ=写真左12月17日、産室1日目・モリコ、写真右1月14日、産室24日目・モリコ

産室の監視モニターと監視カメラ=写真左モニター、写真右カメラ1月14日

アヒルの競走「障害物競走」開幕!

のぼりべつクマ牧場では「アヒルの競走」が随時開催されています。アヒルたちがゴールラインを目指して走り、1位を決めるという催し物です。1月1日から新レースの障害物競走が始まりました。コース上に設置された3つの障害物に、惑わされずゴールができるのかが見所です。1日に数回行われるので、見られたらラッキーかもしれません!

賑わいを見せる障害物競走=1月9日、アヒルレース場

あなたの質問・疑問に答えたい!

園内のクマを観覧中、不意に疑問が浮かんだそこのあなた。ゼッケンを着用したクママスターのお兄さん・お姉さんに話しかけてみてください!また、つなぎを着ている飼育員でもOK。あなたの「気になる」を「なるほど」にするお手伝いをさせてください!

電撃移籍!第二牧場の合掌娘、卒業 ~気になるその後~

メスグマがいる第二牧場からエゾヒグマのテンテンが卒業をしました。普段はとても活発に行動をしているクマですが、まれに持病が再発してしまうため、対処のしやすいバックヤードの群れへの移動が検討されました。
 
そして移動先の群れとの顔合わせをしたところ相性が良かったため、12月22日に合流を果たしました。移動後も非常にリラックスした面持ちで、新しい仲間との共同生活を送っています。

エブリデイ!エンリッチメント

アヒル界隈で空前のサッカーブーム?!
プラスチック製のカプセルには穴が開いており、中の餌を転がして出すしくみのフィーダー。くちばしで器用にドリブルをして餌を食べます。
 

くちばしでフィーダーを転がし餌ゲット=1月2日、アヒルレース場

雪遊びスペースが出現!

巨大なクマの雪像と記念撮影
アヒルレース場前に雪遊びスペースが期間限定でオープンしました。園内で雪遊びができる場所を設けたのは初の試みとなり、雪の壁で囲われた雪遊びスペースには、スコップやバケツなども完備しています。その隣にはクマの雪像(高さ220cm、幅220cm、奥行き270cm)が建てられており、記念写真が撮れるスポットにもなっています。製作日数は1週間ほどで、設置に携わった飼育員は、ひとりでも多くの方に利用してもらえたら嬉しいと述べていました。
 

製作途中の雪像=1月13日、雪遊びスペースの開設予定期間は1月27日から2月下旬※天候により変更になる場合があります、アヒルレース場前

のぼクマ劇場

作:さとうりさな

きょうのくまさん

ショコラ(ヒグマアトラクションを練習中のヒグマ)の姉妹であるマロン。現在は1つ年下の4歳グマたちとともに生活をしています。産まれたばかりのころは飼育員の手を焼いた、とてもやんちゃなクマというのはここだけの秘密。
 

マロン♀(5)


 
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