秋と言えばスポーツの秋、読書の秋、食欲の秋と何を始めるにもいい季節ですが、動物たちは秋に何をしているのか気になりますよね。今回はのぼりべつクマ牧場で展示している、エゾヒグマとエゾリスの秋の過ごし方についてお話をしました。
野生のヒグマは冬に冬眠をします。ヒグマの冬眠は3~4ヶ月間飲まず食わず過ごし、巣穴にこもっているだけに見える様子から、冬ごもりと呼ばれています。また妊娠しているメスグマはこの期間に出産、育児を行っています。3~4ヶ月もの間飲まず食わず過ごすために、ヒグマは秋になるとたくさん食べて脂肪を蓄えるようになります。秋ごろに「ドングリの実りが悪く、クマが出没してくるかも」と言うニュースを耳にしたことはありませんか?クマたちにとってドングリは、冬ごもりに備えるための重要な食べ物の1つなのです。そして秋になると遡上してくるサケは大好物です。サケをたくさん食べたヒグマはたっぷりと脂肪を蓄えることができます。
のぼりべつクマ牧場では一番食欲の下がる冬に比べて、秋は3倍以上も餌を食べるようになります。この時期、展示場のヒグマたちの胃袋はブラックホールのようです。日中お客様から浴びるようにおやつをもらいお腹がパンパンに膨れても、まだおやつアピールをするクマもいます。それぐらいヒグマは秋にたくさん食べておく必要があるのです。
エゾリスはヒグマと違い、冬眠はしません。北海道の寒い冬でも元気に雪の上を走り回っています。エゾリスが冬眠しなくていい秘密は、秋に食べ物を地面に溜めておく「貯食」をしているからです。なんと50cmの積雪でも、貯めた食べ物の場所を掘り当てることができます。ですが、すべての隠した場所までは覚えられずに、忘れてしまうこともあります。冬に食べ物を切らさないためにも、エゾリスは秋に大忙しで食べ物を溜めています。
同じ北海道に暮らしているエゾヒグマとエゾリス。冬の過ごし方は違えど、秋は多忙の様です。さて、次回はどんなお話が聞けるのでしょうか。お楽しみに!