今年の5月、のぼりべつクマ牧場では、ロープウェイを降りてすぐ5頭のこぐまが出迎えてくれています。目に入れても痛くない程の可愛さのこぐまたちについて、今回お話をさせて頂きました。
5頭のこぐまはとても仲良しで、いつも元気に子グマ牧場の中を走り回っています。面白いのはそんな5頭の子グマのお母さんもまた仲良しなのです。
今年の子グマのお母さんは「マリン」「ツムギ」「シズク」の3頭です。この母グマ3頭は同年代でとても仲良しです。ヒグマの出産は1~2月の約2か月間とされていますが、この3頭は出産する日もマリンとシズクは同日、ツムギもマリンたちと2日しかズレていないほど仲良しでした。
のぼりべつクマ牧場で生まれたこぐまたちは母グマだけでなく、父グマも分かっています。そして、おじいちゃん、おばあちゃんも分かっています。やはり遺伝的なつながりがあるクマ同士はなんとなく顔立ちや性格が似ています。
ただ、マリンの子はおじいちゃん、おばあちゃんが分かりません。というのも、マリンは子グマの頃に北海道の泊村で保護された野生のクマなのです。マリンの子のご先祖様は北海道の大自然でひっそりと暮らしていることでしょう。
今5月の春らしい気候のなかでこぐまたちは現在ミルクを飲んですくすくと育っています。2月に500gほどの小さな体重で生まれてきたこぐまも大きいものでは既に10kgを超えてしまいました。
こぐまがすくすくと育つミルクにも面白いポイントが隠されています。のぼりべつクマ牧場で与えているのはヒグマ専用ミルクです。このミルクはヒグマの母乳を分析して開発されました。ヒグマの母乳は犬や人、牛の母乳に比べて脂肪割合が高く、水分割合が低いといういわば濃厚ミルクです。これは冬眠中に子育てをするのには不可欠なポイントです。詳しくは飼育員に聞いてみてください!ヒグマってすごい進化をしているのですよ!
現在のぼりべつクマ牧場でご覧いただける大きさのこぐまを北海道の森の中で観察しようと思うと、近くに母グマがいるため近くでじっくりゆっくり観察することは極めて危険です。
ですがのぼりべつクマ牧場では1日中ずーっとじゃれあうこぐまやミルクを飲むこぐま、昼寝をする無防備なこぐまなど、あらゆる角度のこぐまをゆっくりと近くで安全にご覧頂けます。
今年産まれたこぐまたちの小さくて可愛いらしい姿は今しか見ることができません。
是非皆さんクマ牧場へ足を運んでみて、こぐまたちはいったい何ができるのかご覧ください!!