クマにお注射 ~クマからのSOSを見極める~(7月8日、9日実施)

のぼりべつクマ牧場には、ヒグマはもちろんですが、ツキノワグマや、リス、アヒル、イヌなどの動物も飼育しています。動物たちは、日々、飼育員によって健康管理をされていますが、どうしても風邪をひいたり、病気になったり、ケガをしてしまいます。そのとき、クマ牧場では動物たちの体調をどのように検査し、治療しているのでしょうか。あの大きくて、力の強いクマの治療はどうするのでしょうか!?特に人間も嫌がる「注射」はどうやってするのか…。

 

 

ただ、まずは注射の前に、注射をする必要があるのか、ないのか検査をしなければなりません。そして、検査をする必要があると判断するスタートは日々の観察です。クマが歩いているのを見て「あれ?足が痛そうだな」と思った時は、足のレントゲンだって撮影できちゃいます。でも、どうやって撮影しているのでしょうか。クマに必死にお願いしてもじっとしておいてもらうのは難しいですよね。

 

ほとんどの検査は薬で眠ってもらう「麻酔(ますい)」という作業から始まります。麻酔は痛い痛い「注射」でおこないますが、この時「吹き矢」という特別な道具を使います。吹き矢は息の力で飛ばし、動物に刺さると勝手に薬が注入されていくしくみになっています。実はこの吹き矢は手作りで、今回は特別ですが実際に勝手に薬が出るしくみを見てもらいましたが、これがまた面白いですよ。

 

吹き矢

 

麻酔で眠っている間は採血や、レントゲン、エコーだって出来ちゃいます。しかし、動物ごとに健康な状態が異なっているので、動物ごとの健康な状態をしっておかなければ検査をしても病気かどうかは分からないのです!

 

ヒグマのレントゲン写真

 

病気だと分かると治療をしますが、皆さんに持って重さを体感して頂いた、1mを超える大きな槍型の注射器を用いて注射をしたり、苦いお薬を好物に混ぜてあげてみたりと工夫をしながらやってみます。ダメなら他の方法をチャレンジし続けます。クマとの根競べ、知恵比べですね。

 

注射のイメージ図

 

でも、注射をすると嫌われるのが悩みです…。

 

次回のレクチャーもお楽しみに!!