第二牧場はメスのヒグマが展示されている展示場です。およそ20頭のクマたちがおやつを見せると器用で多様なおやつアピールをしてくれる愉快な牧場です。
このお客様からのおやつもクマたちにとっては良い刺激となり、考えるアイテムの一つになっています。
実はクマのおやつアピールは飼育員が教えたわけではなく、クマたちがおやつをゲットするために自ら考えて進化していった行動です。クマたちは日々すごく考えて行動しているのが分かります。
考える機会があるということは充実した日々を送るには重要なことです。しかし、おやつが好きなクマばかりではありません。
そこで、考える機会のバリエーションを増やすため第二牧場の鉄のお立ち台に突如「白い大蛇」を出現させました。
実はクマはヘビが苦手なのですが、この白い大蛇はヘビではありません。消防ホースを編み込んだとってもながーいおもちゃです。噛んだり、引っ張ったりして遊べます。
さらに白い大蛇の高い位置にハチミツを塗ると、ハチミツめがけて鉄のお立ち台を真剣に登るクマの姿もみられます。それはまるで、自然界でハチの巣などの木の上の餌を採るために必死に登る野生のヒグマそのものです。野生と飼育下のヒグマで環境は違いますが、のぼりべつクマ牧場生まれのクマたちもクマ本来の感覚をもちあわせていることを気づかせてくれます。
そんな白い大蛇は一度取り付けたら終わりではありません。
クマたちの力にどこまで耐えられるのか、飼育員の修復の日々はこれからも続きます。