クマの冬支度 ~食べて!食べて!食べる秋~(10月13日・14日実施)

のぼりべつクマ牧場がある北海道の10月は秋真っ盛り。そしてクマたちの食欲も1年の中で最も旺盛な時期になっています。餌はなんと春の3倍になっています。のぼりべつクマ牧場ではこの時期ニンジン1トンが3日で無くなります。もちろんニンジンだけでなく、クマ用の飼料やトウモロコシもすごい勢いで無くなっています。いっぱい食べている影響は見た目にも出てきていて、シャキッとしていた筋肉質な姿から、ふっくらと丸みをおびた姿になっています。
 

多量のニンジン


ではなぜ、ヒグマは秋に食欲が旺盛なのでしょうか。それは、もうすぐ厳しい寒さの冬がやってくるからです。
 
冬になると野生のクマの場合、餌もなくなり気温も氷点下の日が何か月も続きます。クマたちはそのような過酷な環境に適応するように秋にエネルギーを蓄え、冬支度ができるように進化しました。秋に蓄えたエネルギーは脂肪として蓄積され、冬の間に少しずつ消費していきます。これがヒグマの「冬眠」です。冬眠の中でも、ヒグマの冬眠は「冬ごもり」とも呼ばれ、近づいてくる足音だけで目が覚めるような浅い眠りです。ほかの動物の冬眠に比べ、見た目は「ただ、冬に穴にこもっているだけ」のようにみえるので、「冬ごもり」という呼ばれ方をしています。
 

食べて食べて食べる子グマ


 

冬支度を終え丸くなったヒグマ


 さらにヒグマは冬眠中に出産もします…。そのために、秋にはしっかりと栄養をたくわえておく必要があるのです。過酷な季節を乗り切るための冬支度。まさに今、可愛らしい姿になったモフモフのクマたちをぜひ、のぼりべつクマ牧場でご覧ください!次回のレクチャーもお楽しみに。