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赤ちゃんヒグマ誕生
産室でスクスク育っています!
今年も新たな生命が産声をあげました。現在、子グマの出産が確認できているのは「コロン」、「ベッキー」、「エリカ」の3頭です。
12月16日から産室で出産準備をしていたメスグマたち。ある日、静かな産室の中から、「ギャーギャー」「ググググ」という声が聞こえてきたのです。子グマの鳴き声です。子を産んだ母グマはとても神経質になっているので、刺激を与えないように産後2~3日は壁越しに音を聞き観察をします。出産日は「コロン」1月19日、「ベッキー」1月22日、「エリカ」1月23日と、今年は1月に集中しています。
エリカの産室内には24時間稼働の監視カメラが設置されており、貴重な育児のようすを捉えることができています。産室からは子グマの鳴き声が絶えず飛び交い、とても賑やかになっています。
飼育員による産室観察
気になる裏側に密着
産室での作業は、主に給餌・観察・ワラの交換です。
給餌はスコップを使い、小さな給餌口から水でふやかした配合飼料、リンゴ、氷などを与えます。産室のクマは冬ごもりに近い状態で食欲が落ち、給餌量は2kgほどです。特に出産して間もない母グマは育児に没頭しているため、飲まず食わずのときもあります。
観察で気をつけているポイントは、巣の状態は良好か、子の力強い鳴き声やささ鳴きが聞こえるか、また親は子をしっかり抱いているかという点です。
巣材には稲ワラを入れています。巣をチェックする上で、巣の形、ワラの乾燥具合や汚れ具合などが重要です。母グマは巣の上で育児を行うのですが、ワラが湿っていると子の体温が下がってしまいます。また、ワラが散乱している状態の場合、母グマが子をしっかりと抱いていない恐れもあります。観察で巣の状態が悪かったり、薄かったりしたときには、新たなワラを補充することもあります。
子の鳴き声は、大きな声は元気の証です。逆に声が小さいと、子が弱っている可能性があります。またしっかりと授乳がされているときには、ささ鳴きが聞こえます。ささ鳴きとは、子グマが母グマの乳を求めるときに出す声で、この鳴き声が聞こえていると安心です。母グマが子をしっかり抱いるかということも重要です。子を産んでも巣から離れてしまう母グマは、子育てを放棄した可能性があります。そのままの状態が続くと、子はすぐに死んでしまいます。
飼育員は母グマのサポート役となり、より良い子育て環境の提供に日々励んでいます。春先には皆様の前に子グマたちの元気な姿をお披露目できるよう、母グマと二人三脚でこの冬を乗り越えます!
「のぼりべつ雪牧場」大賑わい!雪遊びスペース
1月27日から期間限定で開催されたイベント「のぼりべつ雪牧場~クマは巣穴で丸くなり、人は楽しく雪遊び~」は、予想を上回る好評ぶりでした。撮影スポットの雪像では、多くの方がシャッターを切る姿が見られました。雪遊びスペースでは、世代を越えてたくさんの方々に雪遊びを満喫していただけました。制作に携わった飼育員は「老若男女問わず利用していただけてうれしい、来年度もよりよいものを提供したい」とはりきって話していました。
エブリデイ!エンリッチメント
真冬の巨大氷塊プレゼント!
バケツに水を張り、中に果物などを入れて外に置いておくだけで果物氷のできあがりです!放飼場に設置するや否や、クマたちがかぶりつき始めました。今回はリンゴを入れて作成しましたが、色々なものを凍らせてバリエーションを増やして行きたいと思います。
クマも雪遊び!
白銀の大地でレスリングを楽しむ
エゾヒグマは寒さにとても強く、雪遊びが大好きです。自慢の長いかぎ爪で雪を掘ったり、新雪へ飛び込んだりと、様々な姿を見せてくれます。
とある日のこと、雪の上でクマ同士がかみつき取っ組み合いをしていました。喧嘩かと思いきや、実は互いにじゃれあっていただけでした。飼育員はこのようなクマ同士の遊ぶ行動を、レスリングと呼んでいます。雪の上でも寒そうな顔一つ見せないたくましいクマたちの、冬ならではのヒトコマでした。
クッタラ湖冬景色
クッタラ湖が全面凍結!?
2月9日にクッタラ湖の湖面が全面凍結しました。2月1日に岸の方から張り始めた氷は、翌2日には湖面全体に広がり、9日間かけて湖を覆いつくしました。凍結時期は例年並みですが、今年は凍り始めてからいつになく短い期間での全面凍結となりました。
クッタラ湖は、ヒグマ博物館屋上の「クッタラ湖展望台」から望むことができます。毎年、3月中旬~下旬ごろには氷が解け始めます。それまでに、雪化粧のクッタラ湖をぜひご覧ください。
のぼクマ劇場
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