「ボス」~のぼりべつクマ牧場の頂点~(8月12日、13日実施)

皆さんは、のぼりべつクマ牧場に「ボス」と言われるクマがいることをご存じですか?
オスメス合わせて約80頭いる、のぼりべつクマ牧場の「頂点」ともいうべき存在。どんなクマがどのようにして君臨しているのか、今回お話させて頂きました。

 

「ボス」という表現は、野生のクマ界では全く耳にしない言葉だと思います。そう、「ボス」というのはクマ牧場内で飼育されているヒグマに用いている表現なのです。圧倒的にケンカの強いクマのことを表し、そのクマのおかげでクマ同士のケンカも抑制されたりします。
ちなみにメスグマのケンカは口げんかのようなものがほとんどで、取っ組み合いのケンカはあまりないので、圧倒的に強いクマはおらず「ボス」もいません。

 

初代ボス

「ボス」のクマは、クマと飼育員の双方から「ボス」と認められます。クマからは、「強さ」をもってボスとして認められ、飼育員からは、「強さ」に関連する「ケンカの勝敗」や「背こすり回数」、「性格」でボスとして認められます。「背こすり」とは、野生では木々に背中をこすりつける行動で、マーキング行動と言われています。ケンカや背こすりは繁殖期の5~7月に増えるため、その時期に「ボス」が決定します。

 

背こすり

今年のボスはどのようにして、どのクマが君臨したのでしょうか。
昨年の下剋上の戦いに続き、また今年もマンタロウが新たな風を吹かせてくれるのではと期待して始まった発情期の5月21日のことです。飼育員が「飛燕草(ヒエンソウ)の戦い」と名付けた戦いがあります。昨年ボスのダイキチに向かって果敢に攻めたマンタロウの他に2頭のクマが巻き込まれる大きな戦いでした。この戦いで、昨年ボスのダイキチが圧倒的な力を見せ、今年もまた「ボス」の座を守り抜き、見事5年連続のボス就任となりました。
この戦いの詳細は飼育員にじっくり聞いてみてください!

 

ボス決着

クマからも飼育員からも頼りにされる存在「ボス」。
是非皆さんも一度、のぼりべつクマ牧場の頂点を見に来てはいかがでしょうか??