ヒグマクイズ「ボス」解説

Q1 のぼりべつクマ牧場の初代ボスの名前は?

正解は…3.タロウ!

【解説】クマ牧場では、繁殖期が始まる5月頃からボスの座を巡る争いが始まります。
「ボス」とは、クマ牧場で飼育されているヒグマのなかでも最も強いヒグマのことです。大人のオスではボス争いに関わる威嚇(いかく)行動や背こすり行動、ペタリング(誇示歩行)などのマーキング行動が見られます。クマのグループ毎による勢力争いもあり、集団で力を誇示するクマや、弱い個体に対しての攻撃をせず、いつもまわりには若い個体がつくお兄さん的なボスなど、人間社会のような勢力図が展開されます。開園から現在までの60年以上の間に20頭の「ボス」が誕生しています。

「ボス」の特徴としては、牧場内の巡回行動や仲間同士の威嚇、ケンカの仲裁が挙げられます。ボスの明確な存在があることで牧場内全体においてクマの闘争がなくなり、状態が安定化する傾向があります。
なお初代の「ボス」のタロウ(ボス在位期間/昭和39年~40年)は気性が荒く、一匹オオカミとして争いが多かったため、長続きはしませんでした…。


Q2 2020年のボスは誰?

正解は…1.ダイキチ!

【解説】体重480kgという圧倒的な体格差で、ダイキチが20代目のボスの座を手にしています。平成23年7月から2年間のボス不在期間を経て、平成25年から現在までダイキチがボスとして君臨しています。
若く体が小さなうちは元ボスである「サチオ」の影にかくれていたのですが、成長し体が大きくなると、その体格を活かし、同年代のクマ(ナッツ、コタロウ、マンタロウ、カンタ、テツロウ)の力も借りながら第一牧場を制圧しました。ダイキチは荒い性格で弱いものにも力で圧倒するため、ボスとしての成長を期待しています。

ナッツは、ダイキチと双子であり、ボスのダイキチを枕にするなど、不思議な関係性がみられています。本当のボスはもしかして…。
マンタロウは、近年では唯一ダイキチに挑む姿勢がみられています。ただ、小柄な体格なのが大きなハンデとなり、なかなか勝てそうな見込みがありません…。


Q3 新しいボスを決めるタイミングは?

正解は…1.初夏!

【解説】ボスの時期は、マーキング行動や威嚇の頻度が高くなる繁殖期に決定しています。ヒグマの繁殖期は5~7月ですので、この時期の直後に観察結果などを踏まえ、ボスを発表しています。

秋には、冬前の栄養を蓄える大切な時期ですので、皆、マーキングよりも食事が最優先になってきます。
冬は、自然な気温低下や日照時間の低下に伴い、寝る時間が増えるなど、活動量が減少しています。


Q4 ボス争いの時期に増えるオスの行動は?

正解は…2.背こすり!

【解説】背こすり行動とは、マーキング行動の一種です。クマ牧場のオスたちは、展示場内の壁や丸太にこすりつけていますが、野生下では繁殖期に森の中の木々に背中をこすりつけて、背中から出る分泌物を様々な場所へつけています。行動範囲の広いクマは、このように自分の分泌物をこすりつけることで、お互いの存在を意識しあい、コミュニケーションをとっているようです。

雪遊びは雪が降る冬限定で、クマ牧場のクマも穴を掘ったり雪にまみれたりする遊びをすることがあります。
秋にはどんぐりを持って来場いただきますと、量に応じて入場料がお安くなるどんぐり割引が開催されます。お客様にお持ちいただいたどんぐりはクマたちの餌として与えていますが、1粒1粒すごいスピードで食べていきます。しかも、殻だけを口から出しながら食べているので、とても器用ですね。


Q5 メスのボスは?

正解は…3.ボスはいない!

【解説】繁殖期になると威嚇行動は増えますが、メスには「ボス」の存在はなく、ケンカの仲裁などは強いクマだけでなく各自が行っています。「ボス」のような強いクマが他の個体を気にせず自由にしているということもなく、年齢が高い個体や顔なじみが多いクマが他のクマを気にすることなく、自由に暮らしています。

力の強さだけでなく、経験や仲良し度合が試されるような印象があるメスは、オスよりもコミュニケーション能力に長けているのかもしれません。


いかがでしたか?ヒグマクイズは毎月テーマを変え、第一週目に更新予定!次回もお楽しみに!

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