2018年度 ボスグマが決定しました!


 

ダイキチ、6年連続ボスの座へ!
 
安定への兆しが見えつつある、6年連続のボス就任となります。
 
今年も発情期に入り、成獣のオスの群れではボス争いにかかわる威嚇・攻撃行動やマーキング行動が見られた中で、例年に比べ背こすりや威嚇行動がとても少なく、穏やかな年となり、また群れの頭数も2頭少なく全体で5頭でのボス争いとなりました。
 
ダイキチは12年ぶりにボス就任年数連続記録歴代3位タイとなり、これは第13代ボスのフミオに次ぐ大きな記録となります。
 

ボス決定の背景について

今年の発情期はいつになく凪のような毎日でしたが、ボスを決める観察記録の集計を終了する直前の7月14日、決定的な動きがありました。
「マンタロウ」が「ダイキチ」へ威嚇をしかけました。すかさず「ダイキチ」も威嚇を行い、均衡状態が続きました。そばにいた「ナッツ」が「ダイキチ」の加勢をするように威嚇を「マンタロウ」に放ちました。再度、「ダイキチ」が「マンタロウ」へ向けてダメ押しのごとく大きな威嚇をすると、勝ち目がないと悟ったのか「マンタロウ」は1歩2歩と後退しその場から立ち去って行きました。

 

エゾヒグマの発情期である5月に入り、成獣のオス群れではボス争いに関わる「背こすり」などのマーキング行動が増えてきました。しかし、例年に比べ今年は「背こすり」、「威嚇」、「攻撃」、「誇示歩行」、「闘争」などの回数が少ない穏やかな年となりました。今年はオス群れの頭数が例年より2頭少なく密度が低くなったため、このような穏やかな結果になったのかもしれません。
 
今年も「ダイキチ」を一番に意識していたのが「マンタロウ」で、お互いに一定の距離感を保ちながら相手の出方を伺っている様子が見られました。マーキング回数上位である双子の「ダイキチ」と「ナッツ」はとても仲が良いので双方ぶつかることもなく、常に一緒に行動していることが多く見られました。
 
ダイキチは威嚇行動と、マーキング行動である「背こすり」の回数が最多でした。「背こすり」は、頻繁に行うことで擦っている部位の体毛が擦れて薄くなります。ダイキチは背部の体毛の擦れが顕著なことからも、背こすり回数が多いことが伺えます。さらに周囲のクマも「ダイキチ」に対して、はばかるような行動をとっています。
 
これらの事から、今年のボスグマを「ダイキチ」と決定いたしました。
 
 
 
今後もダイキチの安定政権が続くのか、新興勢力が出てくるか目が離せないボス争いですが、ダイキチの安定が続く様、見守って行きたいと思います。

 

 

「ダイキチ」
生年月日:2006年1月27日生まれ、現在12才
第20代目ボス就任:2013年7月(就任時7才)
体重:約450 kg
身長:約2m60cm
頭胴:約2m30cm