のぼりべつクマ牧場通信 61号(2022年7月)

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クマ牧場の恋愛事情!!

獣舎内で同居中のオスとメスの様子=6月20日撮影

クマさん達の恋模様

6月となり、ヒグマたちは繁殖期の真最中です。この期間に飼育員が血統や相性などを参考にオスとメスのペアを決め、繁殖のための同居をしてもらいます。今年は5月22日から3組のペアが同居を開始しました。フク(7歳・オス)とエリカ(23歳・メス)、サスケ(7歳・オス)とラッキー(7歳・メス)、トクト(12歳・オス)とマリン(9歳・メス)です。

フク・エリカペアは格子越しのお見合いの際に、フクが積極的に鼻を出して匂いをかいでいましたが、エリカは消極的でした。しかし時間が経つにつれ距離が縮まり、お互い鼻を合わせ始めました。
サスケ・ラッキーペアはお見合いの際、ラッキーの方から積極的に匂いを嗅いでいました。同じ獣舎に入ると、サスケがラッキーの匂いを嗅いだり首を甘噛みしても、ラッキーは嫌がることはなく仲の良い印象でした。
トクト・マリンペアは互いに積極的で、獣舎に入るとすぐに交尾行動が見られました。

現在サスケ・ラッキーペアとトクト・マリンペアは、それぞれくっついてラブラブな印象です。フク・エリカペアはラブラブしている印象はないものの、お互いを嫌がる様子はなく一緒に過ごしています。繁殖期が終わる8月頃までは同居生活が続きますので、3ペアとも暖かく見守りたいです。来年には無事に子グマが誕生するよう、楽しみにお待ちください。

きょうのくまさん

タカオ♂(3)

タカオはのぼりべつクマ牧場で生まれたクマではなく、新ひだか町で保護された野生個体です。
0歳でクマ牧場にやってきて、クマ牧場生まれの子グマ達と子グマ牧場で過ごしていました。子グマ牧場を卒業し2歳になると、同い年のメスグマ達と別れてオスの獣舎へ移動し、今は2歳年上の「コテツ」と同居をしています。いつもコテツお兄さんに遊び相手をしてもらい、楽しく暮らしています。

クマさんの恋の研究

6月はヒグマにとって恋の季節の真っ只中。のぼりべつクマ牧場ではこの時期ならではの様々な取り組みをおこなっていますが、「研究」についてお話いたします。

恋の季節にオスとメスは巡り会い、交尾をします。しかし、野生での生息数が少なくなったり、動物園で1頭だけで飼育されていたりすると交尾ができないということがあります。その解決策の1つとして、「人工授精」という人工的に繁殖させる技術の確立を図っています。精液を採取しどのように保存するか、精液を投与するタイミングや方法はどのようにするのか、少しずつ進展しています。

また反対に、繁殖を抑制する技術の確立も図っています。恋の季節に、オスはイライラしやすくなったり、攻撃的になったりします。これらを体の負担がない薬剤投与だけで抑えられないかという研究も行っております。ヒグマを理解していくうえで、大変貴重な結果が日々得られています。引き続き、研究活動にも頑張っていきたいと思います。

麻酔処置後、精液採取をしている様子(右)
採取した精子(左)

NKB総選挙 結果発表!!

今年もやってまいりました。第二牧場の展示クマの中から人気グマを決める「NKB総選挙」の結果発表でございます!
名だたる人気グマを差し置いて、栄えある1位に輝いたのはなんと「イナホ」です。ベッキーやクンチャンといった昨年の上位勢が1位候補となっていたので、昨年ランキング外だったイナホは意外な結果となりました。

イナホはクマ牧場生まれではなく、北海道稲穂峠出身の野生児です。そして、なんと今年生まれた子グマ「イコロ」「ノンノ」のお婆ちゃんでもあります。よく見ると少し似てるかもしれません。少し前までは今年4位のクンチャンと仲良しでしたが最近はクンチャンより、同じ獣舎にいるマサコと良い関係の様です。
イナホは初の1位なので、これを機にどんどんファンを増やしていってほしいです。

そして誠に残念なのですが、今年でNKB総選挙は終了となります。長い間ご投票、ご愛顧いただきありがとうございました。今後も楽しいイベントを行ってまいりますのでご期待ください!

NKB総選挙第1位に輝いた「イナホ」

教えて!!Q&A

○ペンネーム あゆむ さま

Q クマは何種類いるのですか?

A 世界には8種類のクマがいます。ヒグマ、ツキノワグマ、アメリカクロクマ、ホッキョクグマ、マレーグマ、ナマケグマ、メガネグマ、ジャイアントパンダです。
 日本に生息しているのはヒグマ、ツキノワグマの2種類です。ヒグマは北海道に生息しており、本州にはツキノワグマがいます。

ツキノワグマの「ナナ」=5月27日撮影

今月の一くま