のぼりべつクマ牧場通信 67号(2023年1月)

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子グマ牧場、ついに卒業…

バックヤードへ移動後の子グマ4頭の様子=12月24日

4頭の子グマはすくすくと成長して体が大きくなったので、12月14日にバックヤードの獣舎に引っ越しました。母グマと別れて子グマだけの獣舎に移動した日(2022年4月18日)と今回バックヤードへ移動した日(2022年12月14日)に測定した体重を比較すると、「アレン」12㎏→91㎏、「レナ」10㎏→65㎏、「イコロ」2.4㎏→59㎏、「ノンノ」2.5㎏→59㎏と、それぞれ大きく成長しました。特にオスのアレンは他のクマよりも一回り以上も大きく、生後1年とは思えないほどの大きさに驚きです。

バックヤードへ移動するには、まず子グマの獣舎から1頭ずつ餌で誘導しながら移動用オリに収容します。ヒグマは警戒心がとても強い動物です。オリに入るストレスを最小限にするために、事前にオリを子グマが目につく所に置き、慣れてもらうことにしました。その甲斐あってか、少し暴れるクマもいましたが、比較的スムーズにオリに収容することができました。

移動用オリに入った後は、運搬車とソリを使用してバックヤードまで運びます。バックヤードでは、まず大きなクレーンでオリごと体重測定をします。その後、台車と人力で獣舎まで運び入れます。獣舎内で4頭揃うと、安心した表情でお互いに匂いを嗅ぎあう様子も見られました。
再度4頭と皆様が会える日を楽しみにお待ちいただけたらと思います。

きょうのくまさん

メルル♂(9)

「メルル」というかわいい名前ですが、実はオスグマです。「ツララ」「ウルル」との三つ子で生まれました。
オスの中では小柄な方で、全体的に黒っぽい毛色をしており、まん丸体形でかわいいクマです。性格は母であるカコに似て、穏やかで誰とでも仲良く、いつも落ち着いています。寂しがり屋な一面もあり、寝る時は必ず誰かの隣にくっついています。稀に喧嘩もしますが、見た目とは違い、男らしく立ち向かいます!
チャームポイントは父のレッドにそっくりな大きな顔とギャップのあるつぶらな瞳です。子供っぽい所がありますが、これからの成長が楽しみです。

エゾリスの四季

ヒグマは春夏秋冬の季節変化と共に、行動や外見の特徴などが変化しますが、リスも同じように変化がみられます。のぼりべつクマ牧場で飼育しているエゾリスの一年間の行動変化を一緒に振り返ってみましょう。

エゾリスは2月から7月にかけて恋の季節がやってきます。春は特に異性の巣箱から取ってきた巣材を獣舎に入れたりすると、匂いを嗅ぐ行動が多く見られます。その後、夏になると恋の季節が終わりを迎えます。体毛も夏毛に生え変わり、見た目がシュッと細くなります。秋になると、冬に向けての貯食行動が目立ちます。のぼりべつクマ牧場では、1年を通して毎日エサを与えていますので、様々な場所に餌を隠す様子も見られます。

冬の寒い時期には、夏毛から冬毛に生え変わります。フワフワとした見た目で耳毛がピンッと伸びているのが特徴的です。エゾリスは冬眠しませんが、普段は暖かい巣箱の中にいることが多いです。
春夏秋冬によってリスの見た目や行動も変化するので、1年を通して違った楽しみ方ができます。

冬毛で全身モコモコエゾリスのクシル♂(右)とクリを食べるサン♀(左)=12月14日

クマのアスレチックが生まれ変わりました!

11月19日から「クマのアスレチック」がリニューアルしました!
これまでは、クマが登場する前に飼育員が全て餌を設置していましたが、この度お客様にも餌を置いていただくことができるようになりました。クマの登場前に、ステージ内に入っていただき、おやつを置いていただく体験型イベントです。

お客様に置いていただくおやつはカラフルに色付けされており、かき氷のシロップで甘い味付けをしています。アスレチックに登場するショコラは甘い物が大好きなので、置いてもらったおやつを見つけようと頑張る姿も見られます。

カラフルに色づけされたクマのおやつ=12月24日

イベントは、10時30分と15時の1日2回、クマ山ステージで開催しています。クマの出てくるエリアに入るという貴重な体験をお客様にしていただきたいと思っております。各回3組限定となっておりますので、是非ご参加ください!

クマ牧場で見ることができる北海道の野生動物

北海道でオジロワシと双璧をなす巨大な猛禽類「オオワシ」。国の天然記念物に指定されており、12月~2月頃になると、のぼりべつクマ牧場の上空でも、飛んでいる姿が見られることがあります。翼を広げると最大2.5mにもなり、遥か上空を飛んでいてもその大きさに圧倒されます。

お客様に置いていただくおやつはカラフルに色付けされており、かき氷のシロップで甘い味付けをしています。アスレチックに登場するショコラは甘い物が大好きなので、置いてもらったおやつを見つけようと頑張る姿も見られます。

北海道ではメジャーな鳥ですが、世界での生息数は約4600~5100羽といわれており、林地開発などによる生息域の減少や、交通事故などの人的要因で減少が進んでいます。
登別では今の時期にしか見ることができないので、クマ牧場の山頂に来られた際には、時折空を見上げてみるのはいかがでしょうか。

のぼりべつクマ牧場上空を飛ぶオオワシ(幼鳥)=2021年12月

今月の一くま