ヒグマの冬眠(10月14日、15日実施)

10月になると夕暮れも早まり、日に日に朝晩の冷え込みが身に染みます。朝、布団から出にくくなる時期の始まりですね。そんな10月にお話しさせていただいた内容は、ヒグマの冬ごもりについてです。

 

「冬眠と何が違うの?」と思われた方もいると思います。そもそも冬眠とは冬の間、不活発な状態になることです。体温を下げて動かず、眠ることでエネルギーの消費が減り、食べる、飲む量を減らすことができます。ヒグマの冬眠は少しの物音でも起きてしまうような浅い眠りで、巣穴にこもっているだけのように見える様子から冬ごもりと呼ばれています。体温も平常時と3~4℃程しか変わりません。

 

エゾヒグマの場合、12~3月頃までが冬ごもりの時期と言われ、この冬ごもり中は全く飲まず食わずで過ごすことができます。秋にサケやドングリなど栄養のあるものをたくさん食べて脂肪を蓄え、それを冬ごもり中に使っているのです。驚くべきことに数か月間も眠っていても筋力は衰えず、冬ごもり明けにすぐに走り出すこともできます。

 

 

ヒグマは冬ごもり中に出産もします。生まれたばかりの赤ちゃんは体重が400g程しかありません。500mlのペットボトルぐらいの大きさと重さで生まれてきますが、オスの成獣では400㎏になる個体もいる為、生まれた時から比べると最大で1,000倍の体重にまで成長します。
実は赤ちゃんを小さく生むことには理由があります。生まれたばかりの赤ちゃんは400g程ですが、半年後には30㎏ぐらいになり、1年後には60㎏ぐらいまで成長します。冬ごもり中の母グマは飲まず食わず授乳する為、少しでもエネルギーを節約しなければなりません。赤ちゃんを小さく生むことで、少しの母乳で育てることができます。

 

さらに母乳自体にも秘密があります。ヒグマのミルクは水分の割合が少なく、脂肪分が高いです。体に蓄えた脂肪分をそのままミルクに混ぜることでエネルギーの消費を防いでいます。その為ヒグマのミルクはヒトやウシよりもとても濃厚なミルクなのです。

 

 

のぼりべつクマ牧場は冬でも餌を与えていて、1つの部屋に複数クマがいる為冬ごもりはしておらず、年中営業しています。ヒグマたちの雪遊びや、皆で固まって寝ている姿など、冬にしか見られないヒグマたちのかわいい姿は一見の価値ありです。

 

皆で固まってお休み中

 

寝転がるニイサ

それでは次回もお楽しみに。