泊村からきた野生クマ~3.2kgが112kgになるまで~(2月10日・11日実施)

のぼりべつクマ牧場では約80頭のヒグマが飼育されていますが、そのほとんどがのぼりべつクマ牧場生まれのヒグマです。
しかし中には、北海道の大自然で生まれ、クマ牧場にやってきたヒグマもいます。その大自然生まれのヒグマの中から泊村で保護されて2013年にやってきた「マリン」に焦点を当てて、搬入時の様子やその後の暮らしぶりをご紹介させて頂きました。
 

 
マリンはこぐま牧場に初めて搬入された時もすぐにオリから出て走り回るほど元気なこぐまで、マリンの積極的な性格からか同年代のこぐまともとても仲良く遊びまわり、すぐにクマ牧場に馴染んでいきました。
 
搬入時は3.2kgという小さな体でしたが、クマ牧場生まれのこぐまたちと同じ人工のヒグマミルクですくすく育ち、夏には植物を食べ始め、秋にはきれいな牙で鮭にかぶりつくほど成長していきました。
 

 
こぐま牧場を卒業し、大人のクマと同じサイズの獣舎に移動した後もマリンの積極的な性格は変わらず、他のクマの集団と合流させようとしたときには、年下のクマたちに強気に出てちょっかいを出してしまうため、思い切って年上の先輩方と合流することにしました。
すると見事に相性ぴったり、うまく先輩グマたちに馴染み、今では第二牧場でおやつちょうだいのポーズもやっています。体重も112kgになりました。
 

 
マリンの行動から分かるようにヒグマはとても適応能力が高い動物です。野生ヒグマの中にはうまく人目を避けて都市部に出たり、キャンプ場のゴミ箱を開けて食べ物を獲得したり、安全だと分かると観光地では人前にも出てきてしまうクマもいます。学習能力が高く、器用なヒグマと仲良く付き合っていくには、野生ヒグマと人間が適切な距離感を保つことが重要です。
そのことは「マリン」が私たちに改めて教えてくれました。
 

次回レクチャーがある3月にはきっともっと成長している「マリン」に会えるかもしれないですね。次回レクチャーもお楽しみに!!