「知られざるクマの体」~抜けるもの?生えてくるもの?~(6月10日、11日実施)

突然ですが皆様は自分の体の役割ってご存知でしょうか。私たち人間は物をつかみやすいように進化して前足から「手」となりました。私たちの体に役割のないものって無いのです。

そんなわけで今回のテーマは「知られざるクマの体。抜けるもの?・生えてくるもの?」と言う事でエゾヒグマの「歯」と「毛」についてお話をしました。

 

夏も近づき肌の露出が増えると皆様あれが気になりますよね。そうです、体毛です。「生えてこなければいいのに~」。なんて思わないでください。毛たちには立派な役割があるのですから。

毛の主な役割として「皮膚の保護」、「感覚機能」、「体温維持」、「性的象徴」の4つがあります。エゾヒグマは冬には柔らかくて細い綿毛と言うものが密に生えます。毛と毛の間に空気がこもり、熱を逃がさないようになっているので、雪の上でも楽しそうに遊びだします。春に綿毛が抜けおちていく姿は、まるで私たちの衣替えの様です。冬毛を私たちの身近なものに例えると、ダウンジャケットや羽根布団が同じ仕組みです。

 

 

私たちの髪の毛色は人種によって色が違いますが、クマは同じ種類でも個体ごとに毛色が異なります。それからツキノワグマに白斑(胸の白い模様)があるようにエゾヒグマにも白斑がある子もいるのですよ。もちろん白斑のない子、成長とともに消えた子などもいます。クマ牧場に来た時に是非チェックしてみてください!

 

ゾウやキリンの歯が植物を食べるために平たい形をしているように、歯の形を見ればその動物が何を食べていたのかが分かります。

 

 

エゾヒグマは食べているものの7~8割が植物質なためネコ目に属しながら私たち人間のような平たい臼歯(奥歯)が生えています。これは硬い木の実をすり潰すためです。でもとても大きな犬歯も生えているのです。これはエゾヒグマが肉や魚も食べる雑食性だと言う証拠ですね。そして私たちと同じように歯が生え換わります。

ヒトは生後約6年で生え換わりの時期が来ますが、エゾヒグマは生後約10ヶ月が生え換わる時期と言われています。早いですよね。体の成長も早ければやはり歯の生え換わる時期も早くなるのでしょうか・・・。興味が尽きないですね~。

次回もお楽しみに!